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京都は梅雨時でも花とスイーツで楽しめる

  雨が似合う花といえば、ダントツ、紫陽花でしょう。
 京都で紫陽花といえば、なんといっても三室戸寺。
 その数、2万株というから、圧倒されます。
そして、善峯寺に楊谷寺、三千院が有名ですが、どこも京都駅から遠いところが難点です。
 
そこで!
オススメなのが桔梗です。
拙著、「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの第3巻では、「桔梗流」という茶道の家元が登場します。もちろん架空の名前です。その家元・明智夢遊が、京都市内の桔梗巡りをするシーンがあります。(以下抜粋)
 
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夢遊は美都子の厚意に甘えて、朝から桔梗巡りに出掛けたのだった。
 
御所のすぐ東側にある廬山寺は、紫式部の邸宅跡に建つ。ここで『源氏物語』を書いたという由緒の「源氏庭」が有名だ。白い石を敷き詰めた庭には、苔を敷き詰めた「島」があちらこちらに。梅雨入りの頃になると、この「島」に桔梗の花が咲き始める。
「最初に行った、南禅寺の天授庵さんはまだ時期には早うて残念やったけど、晴明神社さんは見事どしたなぁ。桔梗て一口に言うても、種類がいろいろあるさかいに咲く時期も違うてくるし。さあ、次が最後、天得院さんや」
天得院は、東福寺の塔頭で非公開。桔梗と紅葉の時期だけ特別公開される。
 
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この「天得院」を取材で訪れた際、お抹茶とお菓子のもてなしがありました。
その時の一枚の写真が、これです。
糠雨の降る庭の桔梗を縁側で愛でつつ、いただきます。
なんと風情のあることか。
 
姿かたちも素晴らしい和菓子に感動。
檀家さんと思われる方に尋ねると、東福寺門前の「鶴屋弦月」さんのお菓子とのこと。早速、帰りに寄ることにしました。
あいにく、「天得院」さんでいただいた「桔梗」の形をした和菓子は、特別公開の参拝者のみに限定で作っているため、お土産にはできませんでした。
しかし、店頭で目に留まったのが、「州浜(すはま)」です。
きなこを練って作ったもので、うぐいす色でそらまめの形を模しています。
私の大好物です。
 
少し肌寒ささえ感じる桔梗巡りでしたが、思わぬ収穫に思わず頬が緩んでしまいました。


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