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絶景寺院・千光寺の貼り紙

 たぶん、歳のせいでしょう。
最初は、右足の踵が痛くて歩くのにも難儀しました。
接骨院に通い、しばらく歩くのも控えて養生したら治りました。
ところが、次に右足の膝が。
その次は、股関節が痛くなって階段を上るのにも苦労するように。
 
ようやく治って思ったことがあります。
「これは、行けるうちに、行きたいところへ行っておかないといけないぞ」
 
ということで、嵐山大悲閣・千光寺を訪ねました。
慶長19年(1614)角倉了以(すみのくらりょうい)が、二尊院の僧、道空了椿を中興開山に請じて建立した寺院です。了以は、南方交易で財を成し、保津川、富士川、天龍川、高瀬川等の大小河川を開鑿して、舟運の便益に貢献した偉人です。
 
さて、嵐山の渡月橋の北側は観光客で大混雑しています。
ところが、橋を南側へと渡り、保津川の河岸沿いの道を上流へと歩くとほとんど人影がなくなります。
それもそのはず。
ここは、一般車両は通行止め。
途中から、少し坂道になり、少し息を切らしながら30分歩くと、千光寺の麓に着きます。
ここからが本番。
 当寺は、山の上にあるのです。
九十九折の階段をエイコラエイコラ。
もうへとへとです。
ようやく登り切ると、絶景が!!
ところが・・・この日は、あいにくの曇り空。
なんということでしょう。
晴れた日には、遠く東山の清水寺も見られるはずなのに。
 
あ~あ、
と思いはしたものの、境内のこんな貼り紙に目が留まりました。
眺望の美しさにはしゃがないおかげで、
じっくり拝見できました。
う~ん、心の持ちようで、人生って変わるんだなぁ、と勉強になりました。
 
             「心 こころ」
 
心に、物なき時は、心ひろく体(からだ)心やすらかなり。
心に、慢(うぬぼれ)なき時は、愛嬌(あいきょう)うしなわず。
心に、欲(よく)なき時は、義理(ぎり)をおこなう。
心に、私(わたくし)なき時は、疑(うたが)ふことなし。
心に、驕(おごり)りなき時は、人を敬(うやま)ふ。
心に、誤(あやま)りなき時は、人を畏(おそれ)れず。
心に、邪見(じゃけん)なき時は、人を育てる。
心に、貪(むさぼり)りなき時は、人にへつらふことなし。
心に、怒(いか)りなき時は、言葉やわらかなり。
心に、堪忍(かんにん)ある時は、事(こと)を整(ととの)ふ。
心に、曇(くも)りなき時は、心静かなり。
心に、勇(ゆう)ある時は、悔やむことなし。
心に、孝行(こうこう)ある時は、忠節あつし。
心に、自慢(じまん)なき時は、人の善(ぜん)を知る。
心に、迷(まよ)いなき時は、人をとがめず。
 
               京都 嵐山
大悲閣千光寺


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