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半沢直樹の世界 - パワハラに打ち勝つには

半沢直樹の世界は誇張されているが、日本の金融機関では「恩返し」と「倍返し」は確実に存在すると思う。というか、日本のサラリーマン社会では非常によくある話なのではないだろうか。

僕には恩返ししたい人がいる。この人には仕事人としての命を何度も救ってもらった。

慣れない英語と初めての業務で全く仕事が分からず途方に暮れていた20代後半。何をやっても大したパフォーマンスをあげられず、できることからコツコツと、誰にも褒められない小さな仕事をやっていた。誰も僕を相手にしない。でも彼は違った。「ももきち、お前頑張ってんな!副社長と3人でお好み焼きでも食いに行くか」。クレジットのヘッドなのに、他のデパートメントの最若手である僕の小さな仕事を見てencourageしてくれた。そのあたりから僕はめきめきと頭角をあらわしていった。

パワハラ上司に潰されかけた30代後半。毎日早朝から終電までがむしゃらに働き、それでも「お前はアウトプットがない」と罵られ、最終的にはあまりのストレスで何回か呼吸困難になった。そんな時、彼が僕と同じ部署のシニアポジションに異動で着任した。「おかしいなぁ、ももきちはもっと楽しそうに仕事をするやつだったけどな」。僕に対する業績査定の会議で彼が発したコメントだ。そのコメントを伝え聞いた僕は、ロンドンや他の部署で楽しく一所懸命に仕事をしていた頃を思い出し、その後、パワハラ上司に打ち勝った。

「ご恩と奉公」。恩師のためなら、「いざ鎌倉」である。日本には武士道という伝統的なスピリッツがある。いつか必ず恩返しをしなければならないと思っている。

「倍返し」の話は次の機会に。

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