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アタリの重要性

※あくまで桃缶個人の見解において綴っていますのでご了承ください。

わたし実は最近まで下書きなしでペン入れしてました。
コマ割ってセリフの位置だいたい決めたらもうペン入れ。
何度でも修正できるデジタルの特性を生かして、より早く完成原稿に近づけようというもくろみです。
(どんだけ生き急いでるの…)

このやり方のいいところは、失敗してもいいからざくざく描いていく覚悟ができるところ。
原稿の完成が格段にはやくなります。

しかし反面、デメリットもあります。

それは空間や配置、遠近感などの微妙な歪み
そりゃそうですよね、一発描きで精巧に描けるなんてプロでも難しい。
この「なんか綺麗じゃないんだよな~」が、自分の画力の限界です。

まあレイヤー捨てて描きなおせばいいんだけど、何度も描きなおしてるうちに結局時間ばかりかかって全然綺麗にならない。
これ、むしろ前より時間かかってないか⁉(;'∀')

そこでわたしが始めたのは、アタリだけしっかりとるというやり方。

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赤は人物のアタリ、青はパースっぽいもののアタリ。

髪の毛も表情もなんもないですね…(;'∀')
誰が誰かもわからない…(笑)

これ下書きを兼ねてるので、ここからペン入れします。

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人物と背景、ベタを入れました。
なんとなくそれっぽくなりましたが迫力が足りないので効果を足します。

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スピード感と圧みたいなものがプラスされました。
このあとはグレーで仕上げをしていきます。

1話分でだいたい22ページあるので、1枚描くのに下書きを丁寧にやってたらとても終わりません。
なのでわたしの場合、コマ割ってセリフを置いたらアタリとってペン入れ、仕上げという流れです。
アタリさえ丁寧にとれていれば下書きは必要ないのでしません。

よく、「下書きできた~(*‘∀‘)」という画像がSNSにのっかっていて、
え⁉下書き⁉ペン入れレベルの丁寧さじゃない⁉(;'∀')
と思うことがあります。

そしてこれもよくSNSで見かけますが、
下書きのほうがうまくできてた…( ゚Д゚)
という嘆き。

丁寧な下書きを否定はしませんし、原稿を描く工程を純粋に楽しんでいるならそれでいいと思います。

でも人間の集中力は限られていますし、自分の線の丁寧さが持続する時間も決まっています。
わたしは可能な限り、丁寧に描く気力はペン入れにまわしたい。
短い時間で綺麗な原稿を仕上げることを目指したい。

もし作画の工程に時間がかかりすぎてるなあ、とか、もう少し月産の原稿枚数を増やしたいなあ、という悩みを抱えているのであれば、このやり方はオススメですよ!

わたしの好きを詰め込んだマンガですが、届いてくれることを願って。応援いただけると本当に嬉しいです。