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”GRRRLISM”〜ガーリームーブメントを再び〜

こんにちは!ももかろりーたです!
またまたnote書いていきます!

今日のテーマはロリミィ秋冬”GRRRLISM”について、そして昨今のファッションについてとか色々。

私はアパレルブランドロリミィをやっていますが、いつもお洋服のデザインとともに何かしら思想やメッセージを一緒に提案しています。
今回も8/1よりロリミィ2022年AWがリリースされました!

こちらからチェック↓
https://mellfymemory.com/collections/lolime

noteにも深掘りして色々綴りたく書いていきますね。
ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。


”GRRRLISM”(ガーリズム)とは

2022年秋冬のロリミィは、デビューコレクションのいちごとは打って変わって、普遍的なガーリーにパンクやグランジエッセンスをミックスさせたスタイルを創りあげました。お人形みたいな完璧な可愛さではなくて、あえてぼさっとさせたヘアメイク、アンニュイで憂鬱とした表情のビジュアルショット。


胸にはハートを大胆にあしらったフェティッシュなワンピース。

ランジェリーライクなワンピースにレザージャケット…


これにはいろんな想いがあり、同時に今このテーマを、今このタイミングで、やっておく必要があると感じたからです。

”GRRRLISM”はまずどういう意味なのか?
本来”ガーリズム”のスペルはgirl(少女)ism(主義などの意味)を掛け合わせた「girlism」という名詞です。
#girlismをインスタで検索してみてください。 そうすると、ロリィタとかいわゆる少女的で普遍的な女の子たちの投稿がたくさん出てきます。

ですが今回girlを”grrrl”に変えているのは、ちゃんと意味があります。

grrrlは、90年代初頭のロックシーンで起こったRiot Grrrl(ライオットガール)ムーブメントの名残で使われている言葉です。

Riot GrrrlたちのZINE


「女性はか弱く慎ましい」などのステレオタイプの女性像に反抗するライオットガールムーブメントですが、現在でも#grrrlを検索するとそんな強く勇気ある女性たちが存在しています。

わかりやすい例で、Netflix映画Moxieという作品!

90年代のライオットガールムーブメントのアイコンであるビキニキルの音楽が出てきたり、Zineという紙媒体を作って自分の主張を発信してたり!

とってもおすすめです❤︎ぜひ見てください!


一方で、ロリミィはガーリーを専攻するブランド。
girly(ガーリー)は和訳で乙女ちっくです。(ロリミィの鉄則です!笑)


#grrrlのような女性たちとは対局にあるジャンルではありますが、
彼女たちの”自分の主義主張を体現する”そんな精神性は、現代社会でガーリーファッションを手に取る女の子たちに必要なのではないか?そんな風に考え企画しました。

そして現在ロリミィのようなガーリーって、世間から見たときにすごくすごくマイノリティ(少数派)です。
ここ数年の不景気や昨今のコロナウイルスの蔓延により、ガーリーを提案するブランドは軒並みブランドクローズ。実店舗がなくなったブランドも多く、ガーリーを好む人たちの憩いの場も失われている状況。
ですが、90年代初頭に勃発したライオットガールムーブメントも、すごく少数派でありオルタナティブであった。
そして彼女たちの少数派のパワーというものは凄まじいものであった。

そんなムーブメントが現代のガーリー界隈でも実現できたらいいな。ガーリーが好きな女の子たちがもっともっと自由に自己表現できる社会になればいいな。
そして新しい若い層にもガーリーの魅力を知ってほしい!そんな私の思いが込められたコレクションです。


ロリミィ2022AWのお洋服たちについて


まずは今期のオリジナルプリントのQueen of Cherryワンピース。

PINK&WHITE(M/LONG/LL)

一粒のチェリーとアメリカのラムネ菓子CandyHeartsがプリントしたオリジナル柄です!チェリーって、2つに連なった🍒←のを連想しがちですが、今回のテーマGRRRLISMに合わせてあえて一粒のチェリーにしてます。
一粒のチェリーには独立した女性像とか、個性的であるみたいな意味を込めてます。それに対してCandyHeartsはアメリカの子供が食べるお菓子で、とびきり乙女ちっくです。

自立した女性像を形容した一粒チェリーに、CandyHeartsの子供らしさをミックスさせてロリミィの世界観に落とし込みました。とってもお気に入りな柄❤︎シワになりにくく扱いやすいツルツルした触り心地の素材もおすすめポイント。


そしてGrrrlismライダースジェケット。

BLACK&PINK(M/LL)

少女的なコットンフリルに、パンクファッションによく用いられるレザー素材の相反する2つの絶妙なバランスのジャケットです!
レザーですが丸襟でかわいらしく、ロリミィのお客様のお手持ちのガーリーなお洋服にも合うようにつくりました!ライダースって本来はぴったりサイズですが、あえてゆるっとしたサイズ感でおつくりしてます。
ニットの上からでも羽織れます◎

そしてLingerie GRRRLキャミワンピース!


PINK&WHITE(Free)

ランジェリーライクですがしっかりワンピースとして着れるデザインです。(裏地付き)


90年代のライオットガールアイコンである、Holeのコートニーラブのようなランジェリーをファッションとして着る、というスタイルをリスペクトしてつくりました。

Hole「Live Through This」’94

レザージェケットと合わせてなおかわいい90’sロッカースタイルが完成します!


次に、Pretty Heartsベロアワンピース。大胆な胸のハートがフェティッシュでかわいい!

このハート、コラージュされたZINEに貼ってあるハートのステッカーみたいで遊び心が合ってかわいい。。

ロリミィらしいベビーピンクにギンガムチェックと、濃いめのピンクにグランジライクな赤のタータンチェック。どちらもおすすめ!


MissCupcakeカットソーは90年代らしいポップなかわいさが特徴。

PINK&WHITE(M/LL)


カップケーキのプリントもロリミィオリジナルです!

そんな”90年代”にフォーカスしたコレクションです!
他にもニットとか缶バッジもあるので是非ご覧下さい。
8/10(水)12:59までご予約可能です❤︎

てな感じで宣伝はここまで…!笑

ファッションが豊かだった90年代

先程何度も取り上げたキーワードである90年代。
インターネットが広く普及し、メインカルチャーだけではないコアなサブカルチャーやオルタナティブカルチャーが盛り上がった時代。
日本に海外のおしゃれなブランドがたくさん入ってきたり、
ストリートブランドのX-GIRLやミルクフェドが設立し、原宿のストリートファッションも盛り上がった時代。
私は97年生まれなので、当時を体感した世代ではないのですが、
私が高校生の頃影響を受けた成果物たちのつくり手は、この時代を味わった世代(ジェネレーションXかな?)が多く、なかなか外せないキーワードなのではないかなと思います。

例えば映画監督のソフィアコッポラ。
ソフィアの映画はガーリーな世界観に、憂鬱さがミックスされていて独特の心地よさがあります。かわいいだけじゃない毒っけや、ガーリーと少女特有の闇のコントラストがものすごく素晴らしい。ヴァージン・スーサイズはどの映画よりお気に入りです!

憂鬱でいてシニカル。媚びていなくてどこか儚くオルタナティブである。

私が高校生の頃好きだった、あのガーリーは一体どこに行ってしまったのだろうか?
そうなら、創り出したい。
シュガーカラーのランジェリーに、パンクなライダースジャケットを合わせるような”かわいい”をもう1度再認識してもらいたい。


ガーリーって、フリルとかリボンだけではなくもっともっと自由で奥深いジャンルだと思うんです!

コートニー・ラブ


雑誌からソーシャルメディアへ

私が高校生だった頃(2013〜15年)はSNSがそれほどまだ主流ではなく、ZipperやCUTiEなど青文字系雑誌や、
FRUiTSなど原宿のストリートスナップ誌も多数存在していた。
雑誌は全国の書店で手にできて、地元が田舎の群馬県だった私には、ニッチな情報を得るといえば雑誌という紙媒体からであった。
青文字系雑誌に共通することはとにかく自分ウケ。個性的。
ファッションを楽しむことが生きがいのような人たちのための媒体だった。

私自身も高校生の頃、Zipperに出会って衝撃を受けたし、そのおかげで現在までファッションが大好きです!
ですが時代は雑誌のような紙媒体からソーシャルメディアに移行し、
少数派で一般ウケしないカテゴリーは、必然的に人口が少ないためいわゆる”バズる”ことはほとんどなく、SNSのアルゴリズムには合ってないなあと感じます。
当時の書店の雑誌コーナーのように、青文字系雑誌と一般ウケな赤文字系雑誌が同列に並べられ、どんな人でも好きに手にとることができる。そんな環境はネット社会には存在していないと感じます。

そして、ここ数年で一気にルッキズム(人々の見た目)に厳しくなった風潮を感じます。
ファッションとルッキズムを結びつけるトレンドが多く出回り、純粋にアート感覚でファッションを楽しむ、という風潮はあまり見かけなくなっている気がします。

90年代にあった原宿のストリートスナップは、モデルさんではない一般の人が自由におしゃれを楽しみ誌面に載っていたし、
読者層もあくまでファッションにフォーカスして見ていたと思います。

一定以上の見た目がないとおしゃれをしてはいけない、という風潮。

私はすごくすごく悲しいし、本来自由であるファッションが何かに縛り付けられているのがとても窮屈です。
誰もが自由にファッションを楽しんで、街に繰り出していた90年代の原宿のような場所すらない。
この風潮はいつまで続くのでしょうか?


ガーリーファッションをもっとみんなのものへ

私はロリミィで叶えたい野望があります。
それはガーリーが好きな女の子の人口を増やすこと。そしてそれを通じあえるコミュニティづくり。
これは何度も言ってますが心から思っていることです。常日頃、どうしたら増えるのかなあ?と誰よりも考えている自信があります!

私は今までサンリオ情報を発信するインフルエンサーで、
タイミングや運が良く皆様に見つけてもらえて当初思い描いていた夢はほとんど叶いました。
現状維持や同じことを繰り返すのはできなく、常に新しい目標を持たないとやってられないタイプです。なのでこれから第2ステージにいこうと思ってます。

サンリオだけじゃない、ガーリーカルチャーをもっと広められる人になりたいです。
その新しい目標を実行しようとすると、当然反発は起こってしまいますが…
冒頭言った#grrrlの人たちの精神性を重んじてやっていきたい。
そしてアパレルブランドをやる上で叶えたい目標は無限にあります!

ちょっと余談になりますが…
先日、ジュノという映画を観ました。

内容は、女子高生が妊娠してしまい出産を決意するのですが、養子縁組のお金持ちの夫婦に赤ちゃんを引き渡すというものです。
そこで出てくる養子縁組のお金持ち夫婦の旦那さんを見て、ハッとした自分がいました。

彼はCMのキャッチーな音楽を作る仕事で成功していて収入もある。ですが本心は93年がロックの絶頂期だ!というキャラ設定です。


どういうことかと言うと、93年のロックシーンって、一般ウケしないはずの非商業的音楽であるオルタナティブグランジロックがメインに勝るほど流行った時代です。
商業的ではない、聴く人が聴くといいよね、って言う音楽ジャンルがオルタナティブです。
なのでその劇中の旦那さんももろニルバーナのカートコバーンみたいな服装してます。笑

それに対して彼は皮肉にも仕事はポップで商業的すぎるCMソングをつくっている。

なんかこの状況、今の私に重なるのです。
(青文字系のコアなファッションやかわいいものが好きなくせに、職業はスケール化を重視しないといけないインフルエンサー)

映画のネタバレになっちゃいますが、その養子縁組の旦那さんは奥さんと離婚して安定した稼ぎのあるCMソングを作る仕事をやめて、ずっとやりたかったバンド活動をやるっていう展開でした。
賛否があるだろうけど、私はここですごく胸が熱くなったし、なんだか背中を押された気分でした。

例え商業的ではなくても好きなことをやろう。
世間に寄せない自分がかわいいと思うクリエイティブをやろう。
いいねや再生数を気にして自分らしさを失うのはやめよう。
そんな勇気をもらえる作品でした。

ちなみに劇中、90年代のHole(カートコバーンの奥さんのバンド)を弾き語るシーンとかもあります!よければ見てみてね。

私も自分らしく、ずっとずっとやりたいことをやっていきます!
そしてもっとそういう夢を追う人が肯定されていく世の中になったらいいな、なんて思います。
夢を見て悪いことってありますかね?
そんなことないと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございます!ではまた。

ももかろりーた




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