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親の職業は子どもの仕事観に影響を与えるのか?〜サラリーマン組織が辛いのは親が自営業だから?〜

突然ですが、皆さんはどのような仕事観を持っていますか?そもそも仕事はしたいですか?

バリバリ働くことを目指していますか?それともゆるく働きたいですか?

私は仕事を通じて、自己実現をしたいと思っています。ですが、転職を2回繰り返した今でも働き方や組織について悩むことがあります。

私の両親は2人ともサラリーマンではありません。父は自営業、母は保育士というプロフェッショナルな仕事をしています。だからなのか、サラリーマン組織に馴染みづらいと感じることがあります。(原因はこれだけではないと思いますが)

一方で、同じ職場で組織にすんなり溶け込めている人の親は、バリバリのサラリーマンでした。このことを知ってから、親の職業は少なからず子どもに影響を与えるのではないか?と思うようになり、この記事を作成することにしました。

そこで、身近な友人たちに親御さんが与えた仕事観について、話を聞いてみました!


1人目:エンタメ系企業のディレクター ナミちゃん(30代)

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筆者 「アンケートへの協力ありがとう!さっそくだけど、ナミちゃんの親御さんはどんなお仕事をしているんだっけ?」

ナミ 「母はデザイナー、父は企業で営業と経営の仕事をしているよ〜!」

筆者 「ふむふむ。ナミちゃんは今、エンタメ系の会社でディレクターの仕事をしているよね。働いていて、これは親御さんから影響を受けたな〜と思う仕事観って何かある?」

ナミ 「あるよ〜。幼い頃、母がアクセサリーのデザイン画を描いているのを見て、マネしてアクセサリーを考えたことがあったのね。それを母に褒められて嬉しかったのが、たぶんモノをつくる仕事がしたいなぁと思ったきっかけだと思う。

逆に、ある程度大きくなってからは、ビジネスマンらしいビジネスマンだった父にちょっとした憧れをもったのね。だからクリエイティブ系だけど、ビジネス寄りみたいな立ち位置に収まったのかなぁと思ったりするよ。」

筆者 「親御さんそれぞれのいい影響を受けているんだね。ナミちゃんのクリエイターさんに徹底的に寄り添う姿勢は、そこからきているのかなと思いました!ありがとう!」


2人目:スポーツ機器メーカーの営業 林くん(30代)

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筆者 「林くん、協力ありがとう!さっそくだけど、親御さんはどんなお仕事をしているの?」

林 「父は某大手メーカーに勤めていて、母は専業主婦をしているよ。」

著者 「そういえば林くんもスポーツ機器メーカー勤務だよね。何か影響は受けたの?」

林 「かなり影響を受けたよ。良くも悪くもサラリーマンに憧れて、幸せな家庭を持つことに夢を持つようになったかな。父の姿を見ていたから、残業などの泥臭い部分も理解していた。だから、入社後も会社の理不尽に対して、違和感なく馴染むことができたよ

悪い面としては、サラリーマン以外の専門職に興味をもてなかったことかな。」

筆者 「私がほしいマインドを持っている人だ!!!(笑)お父さんからサラリーマンとしての等身大の姿を見て育ったんだね。私とは親御さんの仕事も仕事観も逆だから、やっぱり親御さんの職業って組織で働く上で重要なのかもしれないな。

それにしても、林くんはいい家庭を築きそうだよね。色んな意味で頑張って!」


3人目:印刷会社職員 さつきさん(30代)

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筆者 「協力ありがとうございます!さつきさんの親御さんはどんなお仕事をしているんですか?」

さつき 「母はパート、父は自営業です。」

筆者 「さつきさんはお勤めされていますが、親御さんから何か影響を受けたと感じる仕事観はありますか?」

さつき 「一部で影響を受けていると思うかな。いわゆる良い会社に入って、バリバリ働いて、出世したいというような仕事観はつかなかったけど、自分には漠然と自営業はできないと思ったので、就職しなければと思っていました。働き方の観点ではないけど、人として面白い両親だから、そんな風に面白い人になりたいと思っています。」

筆者 「素敵なご両親!さつきさんの内面の豊かさはご両親譲りのものだったんですね。ありがとうございます!」


4人目:ホテルマン ひろきくん(20代)

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筆者 「ひろきくん、協力ありがとう!親御さんはどんなお仕事をしているんだっけ?」

ひろき 「父は今の言葉で言うとパラレルワーカー、母は看護師ですよ〜。」

筆者 「パラレルワーカーのお父さんとかかっこいい…!ひろきくんはホテルでお仕事をしているけど、何か影響を受けたことってある?」

ひろき 「かなり影響受けてますよ!ホテルの仕事を選んだ理由も、父が過去に就いていた職業だったからです。ジェントルマンな立ち振る舞いや教養の深さなど、憧れるところが多くありました。おかげで、視座を高く持ちながら仕事をすることができていると思います。」

筆者 「とてもいい影響を受けているんだね!こうやって日本のホスピタリティの質は受け継がれているのかな。ありがとう!」


5人目:WEBクリエイター 筆者の弟(20代)

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筆者 「少数精鋭の会社で3年ほどWEBクリエイターとして、頑張っているよね!同じ親(父:自営 母:保育士)のもとで育ったけど、影響を受けた仕事観って何かある?」

弟 「あまり影響は受けていないかな。あ、でも生き方の面では、ちゃんと自分にとってやりがいのある仕事を選びたいという考え方の影響は受けたかな。」

筆者 「なるほどね〜。やりがいを持ってイキイキと働く親の姿は魅力的だったよね。私は母親の影響をがっつり受けているかも。ファーストキャリアでは、過去に母が就いていた営業職を選んだくらいだし。

正直、組織やチームで働くのは向いてないな〜って思うことがあるんだけど、同じように思うことある?(苦笑)」

 「あるよ。他人に自分の仕事のペースや積み上げたものを壊されるのが嫌なんだよね。今の仕事は、ほぼ自分に裁量があるし、興味のある分野だから、全く苦ではないかな。」

筆者 「それはいいね!自分の性質をしっかり理解した上で、“自分にとってのいい会社”に就職したんだね!」


まとめ


協力してくれた皆さん、ありがとうございました!大なり小なり、親の職業は仕事観に影響を与えているように感じます。今回は親御さんの仕事という側面から、友人たちのバックグランドを知ることができたこともよかったです。

自分自身をもう少しふり返ると、学生の頃は親の仕事を表面的にしか見ていなかったように思います。「色んな人と出会えることが楽しい!」と過去に営業の仕事をしていた母の話を聞き、営業職に就いたくらい単純です。

漠然とした価値観の中で仕事を決めましたが、結果的に自分の器を広げてくれた仕事だったので、全く後悔はしていません。それは、母の誠実でお客さん志向の考え方に大きな影響を受け、結果的に仕事を充実させることができたからではないかと思っています。

新卒採用に携わっている今は、学生さんが親御さんの影響をしっかり受けている場面に何度も遭遇しました。例えば、起業を目指す学生さんと話すと大概身近に経営者がいたり、安定志向の学生さんの親御さんは大手企業に長くお勤めだったりしました。もちろん全ての方に当てはまるわけではありません。

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調べてみると、この手の類の研究はたくさん行われているようで、論文がたくさん見つかりました!その中で面白かったのは「親の職業威信が子の初職に及ぼす影響 」という論文です。父・母それぞれの仕事や尊敬度、ファーストキャリアの納得度などから、細かい考察がなされています。

意外だったのが、親の職業と子どもの初職選びの納得度に因果関係はないということ。ですが、女性の仕事観の鍵となるのは母親だそうです。私も大きく影響を受けているので、納得です。他にも育った環境なども関わってくるようなので、様々な要因が絡み合って、仕事観を形成していることがわかります。

親の職業威信が子の初職に及ぼす影響
斉藤知洋・鈴木野乃香・ビラール=ニロファール (東北大学教育学部)

https://www2.sed.tohoku.ac.jp/cgi-bin/psced_wiki/wiki.cgi?page=%CA%BF%C0%AE23%C7%AF%C5%D9%A1%A1%B6%B5%B0%E9%B3%D8%BC%C2%BD%AC%28%C5%FD%B7%D7%C5%AA%C4%B4%BA%BA%BC%C2%BD%AC%29


“親の職業”が子どもの仕事観に影響を与えるというより、“親の職業に対する考え方”が子どもに影響を与えているように感じます。ミレニアル世代、Z世代など、新しい言葉がどんどん生まれていますが、時代に合わせて人の「仕事観」はこれからも変わっていきそうですね。

今後自分が親になったら、自分自身が仕事に誇りをもっている姿を見せることが何より大事なのかなと思いました。まずは、親の職業を言い訳に仕事の愚痴を言うことをやめようと思います😂


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