界隈への砂かけ行為について思うこと
「後ろ足で砂をかける」ということわざがある。
去りぎわに迷惑をかけたり恩知らずなことをしたりすることのたとえとして使われることわざだが、同人で言われる砂かけ行為とはこのことわざが由来と思われる。
恩を受けたわけではなく、仕返しや腹いせをする時に使うのは間違いなことわざなので荒らしがアンチ内容な暴言を吐き捨てる場合は砂かけ行為にはならない。
あくまで恩がある人が恩知らずなことをした場合が「砂かけ行為」と認識している。
女性向け同人界隈に身を置いて十年以上になるが、ジャンル移動に対して界隈に対して砂をかける人を何度か見たことがある。
たとえば「以前はマイナーCPだったから新しくハマったCPは供給が多くて楽しい」みたいな、本人には全く悪気はないだろう些細な発言も人によっては砂かけ行為に見えるだろう。
あなたのいう以前はマイナーCPで現在も活動している人は、「供給が少なくて楽しくない」たとえとして言われているのだから、面白くはない。
ただしこの程度であれば、私自身は内心モヤっとしながらも私の中で感情の整理ができる。
女性向けの同人界隈は、同好の者の集まりを【クラスタ】といい、その集団の環境を【界隈】と近年では呼ぶ。
10年ほど前は「漫画の展開についていけなくなった」などの砂かけ行為でその界隈から卒業する人が多かった気がするが、5年ほど前から「界隈が苦手になった」「性格があわない人が多かった」などの砂かけ行為にあたる発言が増えたと思う。
ジャンルを移動することは悪いことではない。
だがどこか後ろめたくて「自分ではなく作品が悪い」「自分ではなく界隈が悪い」ということにしたくて、結果として砂かけ行為をするのではないかというのを見たことがあるが、わりと当たっているのではないだろうか。
少なくても、好きというのは突然芽生える感情であるゆえに止められない。
でも別のジャンルの心変わりを悪いと思っていて、結果として自身を守るために砂をかける行為となるのではないだろうか?
作品への砂かけ行為であれば「好きなものを貶された」で気分が悪いで済む話なのだが「あの界隈は空気が悪い」と言われたら溜まったものではない。
SNSは特に先に言ったもの勝ちみたいな部分があり、後からそんなことはないと言っても情報が拡散されにくい性質がある。
結果として最近の「界隈への砂かけ」+「情報を広めやすいSNSでの砂かけ発信」は最低だなと白い目で見る。
界隈に在住する身には、極めて不快な行為が砂かけ行為なのだ。
私はどんな界隈でも属してクラスタになっていた期間がある以上は、自身を育ててくれた場所だという認識がある。
好きだと思うこと、楽しいと思うこと、様々な感情は感受性を豊かにしてくれるからだ。
砂をかける側は、その界隈でお世話になっていない、恩を感じていないと思っているかもしれない。
元界隈に在籍するクラスタの心情なんて一切関係なくなるからいくらでも砂をかける行為ができる。
「言いたいことを言っただけ」とかいう理由で、「愚痴だから」とかいう大義名分にならない言い訳で、砂をかける。
わざわざ界隈やクラスタを貶める行為が迷惑行為でなければなんだというのだろうか。
もしくは好きだったからこそ嫌いになったときの反動が大きいのだろうか。
付き合ってるときは「好き」「運命の相手」と叫びつつ、別れた途端元恋人を「最低なやつだ」と言う人と似た心情なのかもしれない。
あれに近い感覚なのかなとも考えるのですが、それはそれでダサいなと個人的には思います。
そしてそんな人が新しいなにかを「大好き」と言っても信用しきれない部分があるのです。
また飽きたり嫌いになったら、貶すのかなと考えてしまうせいだ。
その人の「好き」という発言が信用できないだけではなく、人間性について引いてしまうのです。
長くなってしまいましたが、砂かけ行為はやる側の信用もなくすし、やられる側も不快になって誰もが不幸になるだけだと私は思うのです。
なによりジャンル移動や、活動していたCPやキャラに興味がなくなることは悪いことではないのです。
嫌いなものが好きになることもあれば、好きなものが嫌いになることもあるが、それは悪いことじゃないのです。
否定しなくてはいいのですが、それの理由は自分の心変わりと認めて、なにか別の理由を作って砂かけ行為はやめたほうがいいなと私は思うという話でした。
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