見出し画像

マイホーム(中古住宅)をお得に購入するために (その4)

お得に物件を購入する4つの方法

私が考えた、できるだけお手頃に物件を購入する方法は以下の4つである。

  1. いつでも購入できる準備をしておくこと

  2. 不動産屋と良好な関係を構築すること

  3. 売主に価格交渉をすること

  4. 不動産屋に仲介手数料を交渉すること


1点目「いつでも購入できる準備をしておく」について

先述した内容と一部重複するが、自分で物件の是非を判断する目を養って、お買い得と思える物件が出てきたらすぐに購入意思を伝えられる状態にしておくことが大切である。すでに物件調査を開始している人はご存じかもしれないが、いい物件は取り合いになりすぐに売れていってしまう。なので、いい物件(お買い得な物件)が出てきたら、それをすぐに買うかどうかの判断をしないといけない。理想を言えば、いい物件を見つけたら不動産屋に依頼してすぐに内見の日時を設定する。一番早く(たとえば次の土曜の午前など)に見学して、その日のうちに購入是非を判断し、購入を決めたらすぐに購入申込書を不動産屋経由で売主側へ提出する。

本当に人気物件で馴れている人であれば現地を内見せずとも購入申込を出す人もいるみたいだが、初めて物件購入する場合は、室内も自分の目で確認しておくほうが安心かと思う。それでも、内見したその日のうちに購入を決めるのは多くの人にとって容易ではないと思う。しかし、自分自身をそのような状態にスタンバイさせておくことが大切である。いい物件は突然現れるものである。なので、候補となる物件の販売チラシを見た瞬間から、周辺物件と比べて割高物件ではないか、地図で周辺環境を確認して生活環境はよさそうか、などを調査して、購入に値するかを事前に決めておく必要がある。


##私の場合は##

日々市場に出てきた物件を調査し、立地・専有面積・築年数・間取りなどの条件と売出価格との関係性を表計算ソフトに整理することで、市場の相場を把握した。少なくとも週に2回程度は注目エリアの物件をすべて検索し、これを2か月程度に継続することで、注目エリアの中古物件データベースを自らの中に構築でき、相場と比較して割安な物件をすぐに見極められる状態にしておいた。自分の希望条件を満たし、比較的割安と思える物件があれば、まずはgoogle map(ストリートビュー含む)を駆使してできる限り調べた。

<Google mapでの確認項目>

  • 駅までの徒歩分数は本当に販売チラシの記載の通りか。

  • 周辺に墓、宗教団体、焼却施設、歓楽街、工場などの嫌悪施設はないか。

  • 周辺にスーパーや薬局、病院、学校、郵便局など普段使いしやすい施設が多いか。

  • バス停や駐車場は近くにあるか。

  • 駅などの通勤経路に坂道や薄暗い通りはないか。

  • 住居からの眺望はよさそうか。

  • 住居への日当たりはよさそうか。

  • 隣接するマンションがあれば、そこからの目線は気にならないか。


これらを調べておけば、実際に現地を訪問しなくてもある程度のことは確認できる。少しでも気に入らない点があるからという理由ですぐには候補から外すことはせず、8割方気に入れば現地を見学するようにしていた。現地でしかわからないことも多く、事前の検討での期待を良くも悪くも裏切ることがあるので、現地見学の場数を踏むことも大切である。

実際に現地を見学して予想と違った例を挙げる。

<現地見学してみて分かったことの例>

  • 幹線道路が近いが、通りを1本挟んでいるせいか思ったより騒音を感じない。

  • 隣接するマンションの住人の目線が気になる。

  • 比較的新しいのに、共有スペースにごみが散らかっており、管理が行き届いていなさそう。

  • 共有部の掲示板に、騒音やごみ分別についての張り紙がしつこいくらいに貼られている。

  • 高層階のせいか、目の前の通りの車の騒音が気になる。

  • 駅までに信号が多く、販売チラシに記載されたものより徒歩分数がかかる。

  • 夏の西日が厳しい。

  • 共有部分である玄関や廊下、エレベーターホールが薄暗くて不気味。

  • 売主が喫煙者で室内の壁が黄色くなっていた。全面クロスの張替えが必要になりそう。

  • エレベータ横の部屋で、エレベータの駆動音が聞こえてくる。

  • 駅から物件までの坂道がきつい。


私が実際に購入した物件の場合、不動産屋から物件情報がメールで送られてきて、それはまだSUUMOに掲載されていない物件であった。販売チラシの情報とgoogle mapを中心にした調査で8割方購入することを事前に決めて、不動産屋に可能な限り早いタイミングで内見を予約してもらった。残り2割は現地の見学することで、問題ないと判断して購入を決断した。現地見学の際は、室内の状況を確認することはもちろんだが、他の階の廊下も含めて実際に歩いてどのような人が住んでいるのかを想像し、集合ポストや駐輪場・ゴミ捨て場、植栽がきちんと整理されているかも確認した。もちろん、駅から物件へ徒歩で往復して実際の時間を確認したし、近くのスーパーへも足を運んだ。

結果的に一番早く現地を見学して、一番早く買付申込書を出すことができた。これを提出するのが2番目になるだけで、優先順位が下がってしまい価格交渉の可能性が極端に小さくなることを肝に銘じなければいけない。だからこそ、いつでも購入を決断できるように、数多くの物件に目を通して、良し悪しを判断する必要がある。


2点目「不動産屋と良好な関係を構築する」について

不動産屋と良好な関係を気づくことは、いい物件をいち早く紹介してもらうことだけにとどまらず、3点目「売主に価格を交渉する」や4点目「不動産屋に仲介手数料を交渉する」にもつながる非常に重要な要素である。

不動産売買には主に以下の6つの登場人物がいて、これらを調整して、現地の見学~価格交渉~契約~決済・引渡しをスムーズにサポートしてくれるのが不動産仲介業者である。3点目と4点目をなくして、お得に物件を購入することは難しいが、そのカギを握るのは不動産屋といっても過言ではない。

<不動産売買に関わる登場人物>

  • 購入希望者(買主)=自分

  • 売主

  • 売主から売却活動の依頼を受けた不動産屋(売主側不動産屋、物元)

  • 自分に物件を紹介してくれた不動産屋(買主側不動産屋、客付け)

  • 銀行の融資担当者

  • 司法書士


不動産屋との接触で気を付けるべきは、自分は客だからと言って上から目線な態度をとることは避けて、ビジネスパートナーとして対等な付き合いをすることである。自分に落ち度があれば素直に謝る必要があるし、相手の誠意ある行動に対しては感謝の気持ちを都度伝えることである。大切なことはちゃんと主張する必要があるが、相手もこちらを見極めている。あまりに自分の意見ばかり乱暴に押し付けられると面倒な客と思われてサポートされなくなるかもしれない。


3点目「売主に価格を交渉する」について

□売主との交渉

広告チラシに記載の価格は、売主(もしくは売主が依頼した仲介の不動産屋)が決めた物件価格である。交渉して値引くことができたら、こんなにうれしいことはない。しかしながら、売主は基本的には少しでも高く売却したいと考えている。少しでも安く購入したい我々買い手にとって、売主は敵と言っても過言ではない。そんな敵に挑むのだから交渉は容易ではないが、少しの労力で数十万円は節約できる可能性があるのでぜひとも挑戦すべきである。


一般に、事情を抱えている売主は価格交渉に応じてくれる可能性がある。例えば、

ここから先は

5,445字

¥ 2,500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?