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樋口の血

2018年に亡くなってしまった二代目樋口次郎。
芸はこの二人(プラスもうひとり?!)に継がれているねんなと思った昨夜。
息子である三代目(写真)は全然カラーが違う。
父を意識して若い頃は一緒にいなかった、縁が戻ったのは震災後だと昨夜の口上で。
うん、今も舞台でやっているあの洋舞はどないなんやろとずっと思ってた。
あれはお父さんを意識しすぎた結果あんな洋舞になってんやろうなあ、って。
好きな人も多いしいいと思う、けど私にはただ滑稽だった。
でもあれはあれでひとつの彼のオリジナル舞踊として出来上がった。
一方、甥である礼斗(昨夜のゲスト・次の記事にて写真も)。
芝居も二代目の好みと似ているらしい。
三代目は人情ものや親子ものが好きだけれど
礼斗は二代目…平手造酒や剣劇ものなどを得意として
血のにおいがすると言われた二代目と似てカッコいい芝居や任侠ものが好きだと
これも昨夜の口上で三代目が。
まあそりゃもういろんな噂がある、し、だから今はフリー(?!)。
ちょっと太った?!と久々に観て思ってそこだけがちょっと残念。
けれどオーラがある、お客さんがワッとときめくオーラや華が(まだ)ある。
後ろ姿や歩き方に。
プライドなんかな。今ちょっと以前よりアレなのは。。
でもねでもね、この二人が、一人じゃなく、二人が継いでる。
そしてもうひとり、二代目のことを尊敬する元・葵政次、現・朝陽政次もまた二代目の想いを継いでる。
そういうことなんや。
大衆演劇って。旅芝居って。
血、家、一門。
逃れられない、すべては舞台に出る、ええようにも悪いようにも。
それらをすべて私たち客席は観る。
素敵なことであり残酷であるこのことが、それでも、とても、尊い。
今日も幕があいて、皆が生きてる、今生きている。
すべては今日、今の舞台にあらわれ、生きる。

1月27日、尼崎遊楽館にて。

※4年前の記事 




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