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2023年2月の記事一覧

海をもらう

上間陽子さんの名を知ったのは打越正之さんの著書でのこと。 沖縄でヤンキーの聞き取りをしてきた打越さんの『ヤンキーと地元』は、 出版されてすぐに読んだ。 フィールドワークやエスノグラフィーにとても興味を持っており、 そのやり方に共感する者として手に取らずにはいられなかった。 ちなみに、 このやり方に興味を持ったのは 大衆文化研究の第一人者であり社会学者の鵜飼正樹先生の著書がきっかけ。 学生時代に旅芝居の劇団に入団し、一年二か月実際に役者として舞台に立っておられた〝京大の

皮と鬼、『入れ札』と『羅生門』

菊池寛の掌編小説『入れ札』を薦めた。 「文学中年」を自称するその人は 性格が悪いらしい。弱いらしい。 そんな自分が嫌いじゃないらしい。 信用できる(笑) たぶん、 剥いでみたらちょっと似てるような気がする。 と、やりとりをしていて思うようになった。 だからなんとなく思い出して薦めてみたところ、 すぐに読み終えて面白いnoteを書いて下さった。 驚きと共にちょっと慄いた。 やだなあ、わしのちいささも丸裸やないか。消えたい。 でも非常にありがたいことだとも思った。いろんな意

『テヘランでロリータを読む』 読み、想い、生きること

本を読む魅力や意味ってなんだろう。 書かれた物語を楽しむこと。 本の中に過去の自分や過去の出来事や「これから」をみること。 物語の中の世界が現実とがオーバーラップしたり、しそうな内容に 考えるきっかけをもらうこと。 共感や感情移入、 または逆に共感や感情移入が出来なかったりすることで 自分や他人を振り返ったり考えたりするきっかけにもなること。 とか? 読む事と生きる事はつながっている、なんて言われたりもする。 本当に、抽象的ではなく具体的につながっているのだと深く思わされまし