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街は劇場

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日々すれ違う名も知らぬ皆にツッコんだりグッときたり
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2023年8月の記事一覧

丁々発止みな必死 わたしたちはみんな庵野秀明

「ペンギン村に住みたいなー」 なんてフザケて言っていたことを盆踊りの爆音『アラレちゃん音頭』を耳にして思い出した。 きっとめっちゃ体力いるやろけど。 まずお日様に挨拶せなあかんしなあ。 あれは若い頃、夏、 書き屋仲間何人かでドライブに行ったとき。 帰りの車中のBGMがなぜか昭和アニメソングだった。 かけたのは先輩構成作家。 べっくらこいた、ほよよでホイ。 流れてきた御陽気な音頭に思わずつぶやいたら、 パイセンがしみじみとおっしゃった。 「わかる。俺も住みたい」 「住みたいで

舞台とリングと、人間と 『教養としてのプロレス』のこととか

突然ですが、 わたしはなにかを「絶対にそう」「絶対にこう」とかすること言うことがあまり好きではありません。 たいへんにこわいことであり危険なことではないかなと常々思っています。思うようにしています。 そういった風潮や群れることはなんだかどこか「こわいなぁ」となります。 例えば「なにかが絶対に悪」とか。 みんなが言っているから悪とか、 みんなで言ってみんなで悪にしちゃうってこともとても多くない? だから、どちらか一方に肩入れをし過ぎてしまうことはとても危険じゃないかなぁ

お祭りの夜 いつかの夏の怖い話

あれは何年前だったかな。数年前。 ちいさな公園で行われた盆踊りの夜。 聞こえてくる賑やかを通り越して家にはいられないほど大きな音につられ、祭の場所へとひとり向かったときの出来事でした。 輪となり踊る人、屋台に群がる親子連れ、 りんご飴に綿飴にソースの匂いにお面の顔、顔。毒々しいほどの色と匂いと音。 チューハイ、集う若者、呑む人々。浴衣。 肌に貼りつくような暑さとじめじめ。 輪に目をやってぼぉっとしていたら、頭に何かが当たりました。 当たるなんてもんじゃない、直撃しました、

まっすぐ それぞれの『青春の影』

チューリップの『虹とスニーカーの頃』を聴いた時はぶったまげた。 初めて聴いたのは若い頃、ワルい年上の友人たちとの徹夜カラオケだった。 だいぶ年上の「職業・芸者」の姐御が明け方頃に踊りながら歌った。 「この歌……すごい歌詞やね」 「え、そんなん思ったことないわ、でもそう言われてみたらヤバいな(笑)」 「ヤバすぎる、歌い出しから、しかも何度もそのフレーズ出てくるし」 「そういう時代だったのよね、おい和夫(笑)」 先日NHK「のど自慢」のトリとして登場した方の歌を聴いて数日して思い

骨 あなたって、あなたって

チェーンの古本屋のカウンターでお客さんが店員さんに延々話しかけていた先日。 (おっちゃん、にまでいかない、にいちゃん) どうでもいい世間話や己の話を延々と延々と買取カウンターでしていた。 わたしが売ってる間も買うてる間もレジに居て話しかけていたから短い時間ではない。 店員さんはうまく相槌を打っていた。いつものこと、いつもの人なんだろうなと思った。 なんやろね。なんなんやろね。キモいね。やさしいね。 以前スーパーで似た状況に遭遇して店員さんと目が合った話はここに書いた。 ほ

大阪締めとシバキ合い

「打ーちましょ」(パンパン) 「もひとつせ」(パンパン) 「祝(い)おうて三度」(パパン、パン) いわゆる大阪締めと鉦の音が響く夏、 近所じゃないけど近所をふとん太鼓が走り、 夜にはお宮に浴衣を着たちびっこたちや大人たちが集います。 昨夜ちょっと覗いたら、 ちびっこたちが境内でシバキ合いをしていました。 手には夜店のビニール風船屋で買ったバットとかオーロラセイバー。 ひとりとかちゃうねん。 あれを持った瞬間に皆シバき合うねん。 相手がひるんだらもうぼこぼこにシバく。 ぽこー