不動産屋とウォーターサーバー勧誘
4月からの一人暮らしのために、部屋を探していた。父の知り合いが私の勤め先の近くに部屋があるからと貸してくれるという話になった。本当に素敵な大家さんだ。
不動産屋を挟んだ方が契約の諸々が楽だということで、ある不動産屋にお願いをした。
担当の女性はあまり人と話すのが得意なタイプではなさそうだった。だが、こちらがお願いしたことはすぐに取り掛かるし、私が要らないと言ったサービスを押し売りすることもなく好印象だった。
この不動産屋は、水道ガス電気の契約をスムーズに行えるようにコンシェルジュがいるとのことだった。
正直、今の時代調べれば良いだけなのだが、初めての一人暮らしということでお願いをした。
ある日の12時頃携帯が鳴った。昼食の真っ最中だったので、30分程してから折り返しの電話をかけた。
担当してくれたのは若い男性だった。
水道ガス電気をどこに頼むか決め、登録のURLなんかを送ってくれるとの事で話は終盤に差し掛かっていた。
ここで事件は起きた。
「今なら無料でウォーターサーバーをお付けできるんですが…」
出た!と思った。だが22年も生きてきて、それなりに勧誘を断ってきた私は「いいえ、結構です」そう答えた。
タダより怖いものはないという彼氏の口癖のこともあるが、ウォーターサーバー無しで22年間生きてきた。それに、一人暮らしの部屋は狭いのだ。今回、家賃を出来るだけ下げようとして努力したことも私は忘れていない。ここでお願いしてしまったら、面倒なことになりそうだと思った。
一度拒否されたのに、電話の向こうの彼は引き下がらなかった。「無料ですよ?」「大きさもそんなに大きくないですし…」
いらないって言ってんじゃん。私はそう思った。
「水道水飲むし、困っていないので大丈夫です」これでも丁寧に言った方だと思う。
すると彼は「珍しいですね」そうボソッと呟いたのだ。嫌味を言っているのが伝わる言い方だった。
水道水飲むのが珍しいって海外在住なの?それともめちゃくちゃ健康気にしてるとか?と思った。
気の短い私はいつもなら言い返していた。しかし、午後から予定もあったので適当に流して電話ん切った。久しぶりに自分の成長を感じた瞬間だった。
私は22年間普通に水道水を飲んできたから、自分のことをマジョリティだと思っていた。
でも、彼の周りは水道水なんて飲まない人が大半なのだろう。
でも、売りたい側が少しでも相手の気に触ることを言ったら、相手が商品を買ってくれる確率は下がる。
現に私はウォーターサーバーをお断りしたし、次の日にかかってきたインターネット契約についての話は「自分でやります」と電話を切った。
人の印象は言い方ひとつ。
久しぶりに嫌な気分になった。
その日の午後、電気関係の手続きでお世話になった女性は、保険関係の勧誘をしてきたが「いらないです」と言ったら、気持ちいいくらいに「ですよね!」と元気に返してくれた。
勧誘ってその後の会社への信用にも関わると感じた。
以上。momohaでした。
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