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給食無償化、なんで反対?

古池は豊橋での給食無償化に反対してます。
そのことで結構ネットで叩かれたりしています。

「子育てのことやるっていっとったじゃん!!」「子育ての大変さ、わかってないんじゃない??」
ご説明不足、発信不足、受け止めてます。

私は今でこそ議員で収入も安定していますが、直前まで産後の短時間勤務で手取り15くらい、夫も休職中、2桁の貯金を切り崩す生活をしてましたので、お金がないのに働けない、どーにもならない状況はよく理解しているつもりです。給食が無償化になれば当時の私、本当に助かっただろうなと。

じゃあなんで、反対したのか。

給食費無償化と付託された現金給付は「親のための事業なのに、子どもの出席の状態で判断され、負担軽減がされない」からです。

これだけでは意味がわからないと思います。説明していきます。
以下は3月の討論の読み原稿です。まだ議事録が上がってきていないですが、概ねこの文章を読み上げました。

とよはしみんなの議会 古池です。
ただいま議題となっております議案第1号 令和5年度豊橋市一般会計予算について、修正案及び、修正案以外の部分は賛成の立場で討論します。

以下理由を説明させていただきます。
まず、修正された給食費に関連する部分についてです。
私は、これら事業の目的が「物価高騰に直面する子育て世帯支援」なのであれば、手法の選択を間違っていると考えます。

状況を改めて整理いたします。

昨年9月、急激な物価高騰により、急いで保護者に向けて経済的支援をしたい、ということで、すぐに、効率的に支援ができると市が考える案が出されました。
しかし、その方法ではすべての保護者に届かないのではと付帯決議が出されました。
その後、対象者以外にも、時間差はあるものの、現金給付しますと、追加議案が出されました。この案をお出しになったのは市です。始めの案は、すぐにできる案ではあるが、保護者に届ける方法として限定的であるから、今回の目的に沿って考えれば、対象を広げる必要があるとお考えいただけたのだと思います。

でも、初めの案の延長でやっているから、出席扱いとならない子どもの親には物価高騰対策ができないということがわかりました。
保護者が生活の中でお金に困っていることと、子どもの出欠席は全く関連性がないのに、目的より、選んだ方法によって対象が制限されてしまう。
このやり方はおかしい、優先すべきは保護者の負担軽減なので、今後、保護者の支援を行うなら方法をよく考えて欲しい、と指摘させていただきました。


しかし、半年後に出された本議案は、全く何も変わっておりません。
検討すらされていません。

基礎自治体はこの土地に住む住民の生活を支えるということを起点にして事業を考えなければなりません。広く多くの人に届く事業は、必ず、届かない人が出てきます。
本市は、そうした届かない人に対してこそ、届くように施策を見直しつづけるべきではないでしょうか。とどかないことを仕方がない受け止めず、方法を探してほしいです。

今回の質疑で、保護者への支援を教育部が行う限り、努力やアイデアでは超えられない壁があり、届かない対象者が出てしまうということがよくわかりました。手法が目的に沿っていないという理由で、反対いたします。

次に、修正案について述べます。
修正案についても、同じ理由から、賛成するかは非常に悩みました。
しかし、物価高騰に対して悩んでいる各世帯に、届けられるはずの支援が途切れてしまうという状況も望んでおりません。本来、給食費の無償化は国が行うべき事業であると考えますし、国の予算を目いっぱい使い、その後、途切れることなく、本市住民の生活を、理にかなった方法で下支えする事業を提案していただきたいと思っております。

また、この修正案で事業の名称を変更されている点についても述べます。
給食費の無償化について、同世代の話をきく中で、感じたことですが払っていない人に対して現金給付される、ということをネガティブなイメージで受け止めている方がいるようです。
今回の事業が、給食費を払う親の負担軽減が目的だと受け止められており、対象でない人になぜ給付するのかといった考えになっているのではないでしょうか。

また、非喫食者に対しての給付を申請されている方は、対象となる方のごく一部であります。
質疑の中で、半年間のうちに出欠席が理由で対象とならなかった実績を伺いましたが、そもそも、子どもが出席していないからと申請しない家庭もあるでしょうし、先ほどのべた理由で、自分が申請してもよいのかと考えるご家庭もあるでしょう。

名称を変更することで、本事業は保護者全体の経済的負担軽減をめざしたものである、ということを明確化し、そのうちの一つが、給食費の無料、一つが現金給付であったと、そのように市民に発信することは重要であり、意味があることであると考えます。

そのような理由で修正案には賛成いたしましたが、いずれにしても、本事業の臨時給付金は対象者を不必要に限定するものであり、対象者を限定せざるを得ない理由が大元の事業、給食費を無料にする手法の選択にあり、その方法にこだわる必要がないのに、対象者が限定されることをやむをえないと市が捉えているということは問題であると、繰り返し、強く指摘させていただきたいと思います。

今回の事業、報道などでも、給食費が、給食費がと、方法のことばかり書かれておりますが、今回の議案で最も重要視すべきなのは保護者世帯と対象者が直面する課題であって、それを解決するための方法は別になんだってよいはずです。市が、給食費の無償化では全員に届かないと考え、現金給付を提案されたのでしたら、子育て支援課が子育て世帯全員に現金給付するという方法もあったと思います。課題と目的を見直し、届かない人にどうやって届けようかという姿勢で検討していただけたら、保護者全員に届けられた支援であったと思いますから、非常に残念です。

また、修正案以外の部分を賛成といたしましたが、ここに含まれる多目的屋内施設整備事業費につきましては、まだまだ市民に納得いく形で説明ができていないまま、事業が進んでいるのが実情であると思います。計画や要求水準書の策定について、心から賛同できる状況でもありません。今後、詳細な情報の共有を望みますし、納得できる形をお示しいただきたいと考えます。
他、保育園に関連する予算や家事支援をはじめ、新しい試みを一気に初めて頂いた事など、嬉しい事業もたくさんありました。子育てする世帯が抱える課題は非常に幅広
であり、これをやればすべての人が喜ぶということもありません。
今後、これら事業を進める中で、制度のはざまで支援が受けられない方も出てくるでしょう。それは仕方ないと切り捨てることなく、一つ一つの課題に寄り添って、新しい事業を、よりよい形で提案し続けていただくことを望みます。
以上の理由で、賛成といたします。
最後に、今月末で退職されます職員の皆様に対して、これまで市民のためにとの思いで御尽力いただきましたことに対し、心から感謝申し上げますとともに、今後の御健勝と御多幸を御祈念申し上げます。
以上で討論を終わります。


今やってる無償化、物価高騰対策なんですよ。
昨年9月に国の予算で実施しました。
とにかく早く親に届けたい、だから給食無償化にしますよと。

ふむふむ、給食費以外の負担軽減もあるだろうけど、とにかく早く、負担を減らしたいという思いを尊重しようと思い、これは賛成しました。
でも、就学援助を受けていたり、アレルギーだったり、そもそも学校に行っていなくて、給食を止めている家庭はどうなの?
同じように物価高騰で悩んでいるはずだよ!という視点で、一部の議員たちで『附帯決議』を出したわけです。

附帯決議に対する市のアンサーが、『給食費を納めていない家庭には現金給付します』でした。給付は無償化より時間はかかる。でも、負担軽減としてやりたい、と。よし、ならいいか!

…とはならなかったんですね。
じつは、教育委員会の事業は、『教育の充実』につながるものでなくてはなりません。
子どもが不登校で給食を止めている、出席扱いになっていないご家庭の親には、現金給付されないんです。長期入院などのご家庭も同じです。

これ、おかしくないですか?

出席の要件が大事なのは理解します。
しかし今、出席の要件は学校に登校することじゃなくなってるんです。子どもの自立につながる取り組みであれば良いと本市も昨年全校に通知しています。

例えば、不登校の子が、給食だけ食べに行ったら、出席になりますよね。なら、子が一瞬オンラインつないだら、家で食べてもokとかでよくないですか。臨時の物価高騰対策なんだから、特別な措置として、YouTubeの給食の説明を見たらokとか、なんとか出席にならないの?親に現金届けられないの??と聞きました。

できない、との答弁でした。

私は、不登校の親が抱える悩みや課題の重さを考えたら、こんな、制度やルールが優先されて、親の負担軽減という目的が達成されないしくみ、納得できません。

…しかも、この事業、親にも教員にも事務負担が大きいんです。どんな事務か。対象とならない子どもを確認する作業です。先生が親に、出席扱いにならない理由を電話で説明したりします。

予算は全員分組んであります。おかしな要件のせいで、届かない世帯があるし、負担が増えてるんです。
そもそも、欠席だから現金給付の申請をしない家庭もあります。
申請したのに、出席扱いにならず、振り込まれなかった家庭が半年で20組ほどありました。

あと、不登校の子どもが、今日は学校に行ってみようかな、と思って登校して、一日だけ給食をたべたら、4000円、4700円、振り込まれなくなります。
物価高騰で悩んでいる親からしたら、内心、学校じゃなくて、オンラインかほっとプラザにしてくれないかな。そうしたら全額振り込まれるのに。というマイナスのインセンティブ、働いてしまいませんか。
そう頭によぎらせることすら親を落ち込ませるとおもう。

制度設計、間違えてませんか。
だから、半年後には、要件なく行き渡る方法をしっかり考えて、提案お願いしますね。と訴えて、出された議案に反対しました。

◯か、×かでいえば×です。
子育て家庭に冷たい議員だと思われるかもしれません。
でも私は、私だったら、子どもが不登校で、毎日の食事の内容、食費、仕事に行けない状況、不安な気持ち…その思いを抱える中、あなたの子供は出席できていないから現金給付の対象じゃありません。
なんて言われたら本当につらい。

本気で、『市は給食の無償化がやりたかったんじゃないです。本当に親の負担を減らしたかったんです。』と言うなら、昨年9月からの半年の間、しっかり検討して、春に全員、現金給付すべきでした。

これが私、古池ももの考えです。

ちなみに、どうしても給食で親の負担減らしたいなら、こんな取り組みもありますよ。と選挙広報で提案させていただいたのが「朝給食、夜給食」です。

こちらについてはまた、改めてまとめます!
ではでは。

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