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孤島のキルケ(完結済)

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【男を獣にする呪われた美女キルケと六十人目の『生贄』】  呪いにより過去の記憶を失い、孤島に一人寂しく暮らす妖女キルケ。島に漂着して一目惚れされた「私」は、男を獣に変える化け物と…
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#イシュタル

『孤島のキルケ』(20)

「私は彼らの言葉が分からないのです。旦那さまが羨ましい」  きるけえはふらんそわを強く抱…

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『孤島のキルケ』(19)

「あっ、綺堂の兄いが抜け駆けしやがった。きるけえを生け捕るのは俺だ」 「億だ、億が掛かっ…

『孤島のキルケ』(15)

 ふらんそわを呼びに館へと戻り行くとむの姿が見えなくなると、海豚の顔をした男は空から取り…

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『六十人目~妖女キルケと男と獣たち』登場人物設定の覚書その二(第四十一話時点で前…

【黄金の毛並みの犬=フランソワ・ド・ブロアakaふらんそわ】 シャンパーニュから十字軍に参…

『孤島のキルケ』(11)

「二瓶様、午後の訓練は拙僧が担当いたします」  海豚の顔をした男の一声で、磯遊びをしてい…

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『孤島のキルケ』(8)

 工場近くの空き地で、海豚の顔をした男は難しい顔をしていた。  竹とんぼのような部品を太…

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『孤島のキルケ』(7)

 水神から水を分けてもらった私は館に戻った。  きるけえは泥と擦り傷だらけの私の足にひどく驚いた。 「旦那さま、一体どうされたのです。すぐに湯につかってくださいな」  この館で水神の守護が得られる場所があるとすれば湯屋だろう。  ふらんそわが初めてきるけえの寵愛を得た後に人間の姿を保てていた理由も、舞台が湯屋だったからと言う可能性がある。  私は湯につかりながら、きるけえに誘惑された場合の対処法を考えていた。 「何てことだ」  きるけえの細くしなやかな指先、鎖骨を彩る紺碧の

『孤島のキルケ』(6)

「ギルガメシュの孫の中でもとりわけ仲の良い二人の王子はの、同じさやに入った二つの豆の如く…

『孤島のキルケ』(5)

 湧水目指して軽快にしろばち山を登っていくとむに対して、私は葦《あし》に幾度も足を取られ…

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