ももの木
~はじめに~ 日本人ならば、二十四節気という言葉を少なからずどこかでは聞いたことがあるでしょう。 もともとは古代中国で作られて、季節の移り変わりをあらわす指標として農業で重宝されてきました。 太陽の運行をもとに、一年を二十四に分けたのか「二十四節気」で、旧正月の暦から始まり立春、雨水、啓蟄…と続く。 そのひとつの節気を更に三つに分けたのが「七十二候」。 四季がある日本で、暦の美しい言葉とともに不思議とその通りに移りゆく自然の変化、 そして芽吹き、育つ旬の食材たち。 薬膳という、いわゆる食べて整うごはんと、 日本のよき季節を感じる、どこにでもあるちいさな日常の物語を一皿ずつ綴ります。
清明 鴻雁北 ~こうがん、かえる~ 十四皿目~ ツバメが訪れる頃、日本で冬を過ごした雁(ガン)が遥か彼方のシベリアへ帰っていく。 次の秋から冬にまた会うまでのし…
清明 玄鳥至 ~つばめ、きたる~ 十三皿目~ 冬の間、温かい地方で過ごしていたツバメ達が海を渡ってやってくる頃。 ツバメ達の飛び交う姿を見始めてきたら農作業もい…
春分 雷乃発声 ~かみなり、すなわちこえをはっす~ 十二皿目~ 春の訪れとともに、春の雷は恵みの雨を呼ぶ兆しで、この時期に鳴る雷を「春雷」という。 雷というと夏…
春分 桜始開 ~さくら、はじめてひらく~ 十一皿目~ 全国各地から開花の便りが届くころ。 ぽかぽかと暖かさを感じる日も増え、いよいよ本格的な春の到来。 桜の花が…
「春分」 雀始巣 ~すずめ、はじめてすくう~ 十皿目~ 春分は太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ同じ長さになる頃。 そしてその初候は、かわいい…
菜虫化蝶 ~なむし、ちょうとなる~ 九皿目 厳しい冬を越したさなぎが羽化して美しい蝶となって羽ばたいていく頃。 菜虫とは菜の花や大根、蕪などにつく幼虫、青虫の…