見出し画像

【創作小説】クエスチョン・アーク|Ep.6 Bonfire

気が付けば便箋も二冊目となりました。
今度は、ややくすんだパステル調のチューリップがばらばらと乱雑に描かれたデザインのものを選んでみました。全体として青みがかっていて、物憂げな印象です。

どうしてこのような前置きを毎度用意するのか。まどろっこしいと思われる方には申し訳ありませんが、私は物語に変化をつけるため、プロムナードが必要だと考えているのです。または、現実と虚構である白昼夢を繋ぐには、そのための架け橋があった方が便利ではないかとも思うからです。
私は語り手として、この物語に対して淡々とした気分で、平然と対等に、精神的に並列して描写することを求められているのです。語り手としての立場を見失えば、白昼夢がみせる純粋な景色に泥を塗ることにもなりかねません。
そのような失態がないよう、細心の注意を払った末の距離感の表れなのです。どうかご了承ください。

ここから先は

3,691字

現実と虚構の狭間で見るイメージを紡ぐ、哲学系幻想小説。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?