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【逆転裁判2】オタクはカンペキな感想のみを、ヨシとする【ゲーム感想】


⚠️本記事は「逆転裁判2」のネタバレを含みます!⚠️

【はじめに】

 プレイハードとタイトルはNintendo Switch版「逆転裁判123 成歩堂セレクション」、クリア時間は17時間程度でした。2023年GWでの各種セールで「成歩堂レジェンズコレクション」として購入して完全初見プレイです。
 前作「逆転裁判 蘇る逆転」のプレイ感想noteもありますので、お手隙の際に覗いていただけると嬉しいです。

 
 以下感想はかなりカジュアルな文体になっています。誤字脱字を含め、ご容赦いただければ幸いです。

【良かったところ】

○ストーリーのボリュームと密度
 一話ごとの密度が濃かったと思う。第一話はチュートリアルといえど、証拠品の多さや難易度は前作の一話と比較するとかなりボリュームアップした。
 二話以降はキャラクターの掘り下げが丁寧で、ただ有罪/無罪の判決を下すだけではない人間ドラマが織り込まれていた。新機能であるサイコ・ロックも人間模様の良いアクセントになっていた。ストーリーについては後述する。

○証拠品
 人物ファイルが証拠品扱いになったことで、他のキャラクターに突きつけた時に人物評がたくさん聞けて楽しい。しかしそれに伴い、法廷パートにおける難易度は上がったように感じる。

○サイコ・ロック
 探偵パートでもゲージのダメージを喰らうため、気が抜けない。どのパートでもスリル感を味わえた。失敗してもゲームオーバーになることはないが、HP1の状態で法廷パートに進まなければならないので迂闊に失敗することは避けたい。サイコ・ロックを解くとHPゲージが回復するシステムも秀逸だった。サイコ・ロックで失敗し続けると成歩堂の心が壊れてしまうようだが、心を壊した成歩堂を見たくないといえば嘘になる。


【悪かったところ】

○難易度がかなり高い(主観)
 前述した証拠品の多さや、新システムの導入により、前作と比較して難易度が格段に上がっている。まさか第一話から有罪判決をもらう羽目になるとは思わなかった。二話以降でも埒が開かないほど有罪判決を喰らってしまったので、攻略wikiはもちろん、法廷パートでのセーブ&ロードという姑息な手を身につけるまでに至った。

○サイコ・ロック
 情報を開示させるにあたり、必要な情報に対してSEや成歩堂のモノローグなど何らかのアクションが欲しい。錠前一つにつき一つの情報というわけではないし、逆に二つ三つと一気に解錠される時もある。ゲーム内にToDoリストが欲しくなった。

○システムについて
 重要な情報が赤文字テキストで表示されるが、証拠を突きつける前にバックログを確認したい。
 また、主に法廷パートにおいて正解を引くとBGMが止まるか変化するかしてしまうので、進展の確変演出と気づいてしまう。ネタバレ感があって惜しいと思った。失敗した時も成歩堂のセリフを読む前にBGMが止まないことで察してしまう時があった。

○キャラクター
 事件の影にはやっぱり・・・・・あれ?矢張は?


【ストーリーについて】

○3話 逆転サーカス
 事件のトリックについてはそうはならんやろポイントが多く、ややこじつけ感が否めないが、人間ドラマパートに引き込まれる。トミーさんがミリカちゃんに法廷で真実を知ってほしい、「人は死んだら星になんかならない」と現実的な意見を言うシーンがグッときた。
 久々の真宵ちゃんとの捜査パートが楽しかった。前話で有罪ギリギリ逃げ切ったばかりなのに、相変わらずの食い意地っぷりを見せてくれて安心する。

 ▶︎殴られた衝撃でマントが胸像に引っかかった。
 今作一番のそんなことある⁉︎ポイントである。ドクター・ストレンジのマントちゃんじゃないんだからさあ。これには狩魔冥ちゃんも「これはないでしょ⁉︎」と言っている、そりゃそうだよ。

オタクもそう思います


○4話 さらば、逆転
 この話は成歩堂の追求スタイルにストーリー展開が合っていたと思う。ハッタリやこじつけでタイムリミットに追われたり、裁判を引き延ばしたり、彼の性格があってこそのストーリーの動かし方だと感じた。展開に沿ってキャラクターが動くのではなく、キャラクターに引っ張られて話が動く印象が強く、臨場感が得られる話だった。
 特に、有罪にして真宵ちゃんを切り捨てるか、無罪にして弁護士としてのプライドを捨てるかの駆け引きのバランスが絶妙だった。途中の選択肢では真宵ちゃんを切り捨ててオートロを有罪判決にする選択をした。私の考える主人公像は、大切な人を切り捨ててでも世の安寧を願うヒーローであって欲しいから。この選択は分岐エンディングになるのだろうか。

【キャラクターについて】

○成歩堂龍一
 プレイヤーがポンコツなばかりに、大半の法廷においてHP1でのスタートを余儀なくされる本作の主人公。御剣の話をするときだけ露骨に怒りを見せる。
 控え室ではジャケットを脱いで仮眠をとるし、ラーメンはとんこつ派だし、子供の頃の夢はミラクル仮面だし、フルネームで呼ばれることが苦手である。追加の情報をわんこそばの如くお出ししてくる。推せる。

一番かわいく撮れた成歩堂

○綾里真宵
 殺人の容疑者に仕立てられ、殺し屋に拉致され、修行が終わった瞬間に事件に巻き込まれてしまう。いつか霊媒どころか自分が呼び出される側になってしまいそうな、金田一少年やコナンくんポジションのサイドキックである。だいたい隣のとんがり頭がなんとかしてくれる。

○綾里春見
 分家の希望の光である可愛い新キャラ。世間知らずの箱入り娘キャラかと思いきや、少女漫画的展開については二次創作もびっくりの造形の深さを持つ。
 嬉しくてぴょんぴょこ跳ねているモーションが愛らしくてお気に入りである。プレッツェルのような髪型がぴこぴこ動くのがチャーミングで、腕まくりも鼻息が聞こえてきそうでラブリー。

○狩魔冥
 仕草や性格で登場当時から賛否があったらしい今作のメイン検事(ライバル)キャラクター。
 かなり好きなキャラクターである。完璧主義なきらいがあり、留置所を隠し撮りするなど勝つためには手段を選ばないところに好感が持てる。精神面は鋭利な氷片のようで、自分のことでさえもかなり綱渡りであり、ふとした心を揺るがすきっかけがあれば犯罪に手を染めてしまうような危うさが魅力的だ。
 兄弟弟子の御剣とのやりとりが繰り広げられるたび、泣き立ち絵が欲しいと願うばかりだったが、そこはさすがのカプコンによるトドメの供給がある。助かるウ〜

○御剣怜侍
 情と胸板のあついあの男が、専用BGMを引っ提げて帰ってきた‼︎
 法廷で鞭が飛びかわないだけでどこか安心感がある。しかし煽りの鋭さは磨きがかかっていて、狩魔冥は物理的に、御剣怜侍は精神的に詰めてくるので辛い。
 オバチャンに弱いのは健在だが、修行の成果か上手くいなせるようになっている。

意外とみみっちい請求をするエリート検事

○糸鋸圭介
 今作では給与査定だけでなく退職金のヒモまでも握られているようだ。鞭による物理ダメージを負うようになったため、位置情報を把握された音を聞くと姿をくらませる学習をしている。かわいそう。

○華宮霧緒
 四話で登場するデキるマネージャー。事件後も含めて今作で一番好きなキャラクターである。ダメージモーションで眼鏡が砕け散って、次の瞬間何事もなかったのように元通りになる眼鏡好きだ。
 “人に依存してしまう”を弱みとして扱われていたが、そりゃあ弁護士サマや検事サマからみたらそうだろうよ。個人的に一番感情移入しやすいキャラクターだった。

○綾里千尋
 毎回どうにかして成歩堂の隣に立ち、アシストをしてくれた。彼女がいなければ成歩堂のキャリアは終わりを迎えていたと言っても過言ではない。なにしろプレイヤーがポンコツなので。


【まとめ】

○前作五話の捜査システムはどこに行った?
 前作最終チャプターにおいて追加された捜査ギミックの数々が引き継がれていなくて残念。苦戦したのが記憶に新しいので腕まくりして意気込んで始めただけに少し拍子抜けしてしまった。

○キャラクターにフォーカスしたストーリー
 一話ごとの密度が濃い。メインキャラだけではなく証人ひとりひとりの掘り下げもあり、ストーリーよりもキャラクターの魅力が前面に押し出された作品だと感じた。システムが練り上げられて完成度が高く、心情を見抜くという新ギミックも追加されたからこその成せる技だと思う。

○難易度の高さが憎い
 特に苦戦したポイントは三話と四話にまとまっていた。
 凶器である胸像の隠し場所は痺れを切らしてwikiを見ました。テキストウィンドウを消すUIがないのに、テキストウィンドウに隠れている車椅子の膝掛けの下に隠していましたは無茶があると思った。人物ファイルにも立ち絵にも車椅子生活であることは明記されていたが、膝掛けのことは触れられておらず完全に盲点だった。まあ冬だし膝掛けぐらいするか・・・・・・
 四話では、オバチャンの証言、ギターケースの中身、霧緒ちゃんにクマを渡したという証拠、証拠品を必要としている人物の4点で躓いてかなりwikiのお世話になった。本当に難しかった。探偵パートで進展があると日付と時刻が改めて表示される易しさゆえに、法廷でのやりとりは苦戦した。冥ちゃんの出番もあまりないし・・・・・・

○ありがとう狩魔冥、そして華宮霧緒
 四話エピローグで、霧緒ちゃんの口から二人の交流が事件後も続いていると明かされ、天にも昇る心地であります。ありがとう、依存と執着の女たちに新しい関係を導いてくれて。

 そういえば、逆転裁判の弁護士や検事って、論じているときに法廷内をうろうろ歩き回ったり、傍聴席に向かって語りかけて同情を誘ったりしないんだなあ。リー○ル・ハイしか知らないんだけど。

やめてください!現実を突きつけるのは!


【参考】

○逆転裁判シリーズ公式サイト

○お世話になった攻略wiki

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