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【逆転裁判3】カンソウで書いていいのは・・・自分のタイケン、までだぜ・・・【ゲーム感想】

⚠️この記事には「逆転裁判123成歩堂セレクション 逆転裁判3」のネタバレを含みます。

【はじめに】

 プレイハードとタイトルはNintendo  Switch版「逆転裁判123 成歩堂セレクション」、クリアタイムは約17時間でした。
 以下感想はかなりカジュアルな文体になっているとともにオタクの妄言が含まれます。
 誤字脱字を含めご容赦いただければ幸いです。

【良かったところ】

○システムの確立
 システムが確立され、あえてここで新システムの導入をしないことで、シリーズを経てキャラクターとプレイヤーが積み上げてきた技術を表現しているように見えた。ストーリーとトリックに全振りだったのでとても読み応えがあって楽しい。

○継承
 主人公サイドである弁護士たちの信念と、敵サイドの検事たちの決意、キャラクター間の思いの継承がストーリーに織り込まれていて盛り上がりがあった。
 ゴドー検事(神乃木)→千尋さん→成歩堂の依頼人を信じる思いと、狩魔豪→御剣→狩魔冥の勝利の意味とその変遷が、ストーリーを通して重要なベースになっていたと思う。作中5話では倉院流の確執に巻き込まれながらも綾里舞子→真宵→春美への愛情のやり取りも感動した。

○復讐
 個人的にクリア後真っ先に頭に浮かんだ言葉が「復讐」だった。それくらい大筋のストーリーにおける復讐の密度を濃く感じた。後述。

○難易度
 易しすぎず厳しすぎず、程よい歯応えでちょうど良かったと思う。前作に比べて有罪をもらう回数も少なかった。
 ここが決め時だ!という選択は、証拠品の提示ではなく選択肢になるところも、(限界だったら)勘に頼っても一縷の望みがあるかもと思わせてくれるので助かる。
 また、検証とかはしてないので定かではないが、おそらく当たりの証拠品がひとつじゃない時がある。おかげで少しでも疑問に思ったら恐れずつきつけられる。しかし法廷ではつねにHPはギリギリである。


【悪かったところ】

○台詞バックログが喉から手が出るほどほしい
 えっ!「逆転裁判456 王泥喜セレクション」ではバックログ機能が!?やったー!

○5話
 あの振り子の死体受け渡しは物理的に可能ななのか?流石に無茶な気がする。物理基礎で赤点取った過去のあるバカだからわからないけど・・・・・・


【ストーリーについて】

○「信じる」ことが一貫されている
 シリーズ通して依頼人を信じることが主人公とそのプレイヤーに求められていて良かった。主人公の芯がブレずに、その熱に当てられて関係者(犯人を除く)が成歩堂なら・・・!と彼を信じていくところが良い。
 「完璧を持ってヨシとする」ポリシーのの狩魔冥が、勝つことと同じくらい真実に辿り着くことも大事にしていて感動した。

○ダブル主人公
 時系列の構成が上手い。亜内検事と操作手順を教示する1話から、徐々に登場人物を増やし、過去篇を途中に挟むことで、千尋さんと御剣の初めての法廷から、過去との決着をつける5話への運びと盛り上げ方が秀逸だった。

○一番好きなシーン
 最も印象深く、作品とキャラクターに引き込まれたのは1話。リュウちゃんが愛ゆえに証拠品の小瓶を食べちゃいましたの爆弾発言を聞いた千尋さんの第一声が、成歩堂の体調を心配する言葉であるところに胸が熱くなった。千尋さんの人柄と、弁護士としての心構えがこのシーンにギュッと詰まっている。

○4話
 千尋さんと御剣ともに初めての法廷であるが、全員の心に傷を残すインパクトの強いストーリーだった。
 御剣のあの衣装と指振りモーションが狩魔豪そのものでニコニコしてしまった。検事局の彼の部屋にもあのスーツが額に入れられて飾ってある。きっとあれは狩魔豪に仕立ててもらった勝負服で、今来ているスーツは自分の稼ぎで自立の意思も込めて仕立てたものなんだろうな(オタク特有の妄想)

○5話
 もうほぼアベンジャーズだよ。
 病室にいる成歩堂の回想という形で進んだ4話から、現時系列のシフトの仕方が完璧だった。
 孤島サスペンスかと思わせておいて、ここまでのキャラクターの過去編が濃密に組み込まれていた。トリックの鍵が霊媒によるものなので本格ミステリーとは言い難いが、逆転裁判におけるミステリー長編として質がいい。
 初日法廷の御剣vs狩魔冥が激アツ。


【キャラクターについて】

○成歩堂龍一
 あのデレデレ風邪っぴきダサセーターの成歩堂を浴びるのが怖くてビクビクしながらスタートボタンを押したら第1話で出てくるなんて聞いてないよ。思ったよりリュウちゃんの火力が強くて、ゲーム開始数分でSNS開きました。スクショする手が止められなかった。あれだけ醜態?晒しておいて、よく弁護士になって再び法廷に立とうと思ったな。しかも千尋さんの元で。意志が強い。あの黒?ピンク?歴史を2作品分も隠し通していたなんてなんて悪どい。おのれカプコン。
 3話「逆転のレシピ」における「そんなもの(ウエイトレス制服)ぼくだって着られる!」のセリフをたくさん擦られて女装させられている成歩堂くんをみたことがあります。

○綾里千尋
 今作では故人としてではなく生人として、そして助言者ではなく弁護人として法廷に立つ。
 1話ではおやじキラーの美柳ちなみに怒っていたり、惚気を語られて隣に立つ上司を蹴ったりと、等身大の感情を見せる場面が多い。
 現在の弁護士成歩堂龍一のベースがここにあると理解できる。
 3話のウエイトレス立ち絵に感謝しかない。あと春美ちゃんに霊媒された時の姿は、相変わらず目のやり場に困る。

○綾里真宵
 また陰謀に巻き込まれてるよこの子は・・・。
 姉妹揃ってウエイトレス姿が可愛い。家の宿命を背負う。

○綾里春美
 カレーにインドを叩きつけてやるってんだよ!何から何までかわいい。家の宿命を背負う。

○御剣怜侍
 情と胸板のあついあの男が帰ってきた!しかも弁護士席に!
 各国の検事席を経て性格が丸くなったように見えた。さらに4話があることで、若い時分との比較がしやすいため性格の変化が最もわかりやすいキャラクターだったと思う。
 5話初日はたんてい・法廷パートともに彼を視点に調査を行うが、これがなかなか新鮮で面白い。ヤハリによる不器用エピソードの証言や、御剣から見た証拠品や人物評など、どこもかしこも見応えばかりで助かる。
 彼を操作しているときは心なしか頭が良くなった気がする。

>> そうだよ

○ゴドー検事(神乃木荘龍)
 検事席で戦いつつも、ちらほらとクライマックスへの伏線を散りばめている。赤色が見えない、暗闇で光るゴーグルなど。
 この男を主体にして作品を見るならば、一番合う言葉は“復讐”だと思った。自分をこんな身体にした美柳ちなみへの、そばにいながら大切な人を見殺しにした成歩堂龍一への、そしてなにより、守るべきものを守れずに地獄で眠りについていた自分への壮大な復讐劇だった。
 彼が殺されて(未遂)から再び法廷に立つまでの過程が知りたい。ただの病み上がりではない、立つものやっと、目も満足に見えないような男。医者も警察も彼の復讐の炎に当てられて、彼を法廷に蘇らせたと思うとたまらない気持ちになってしまう。
 しかしそれはそれとして、4話で千尋さんの助手枠で隣でコーヒー燻らせられるとさすがにちょっと腹が立つ。こちらを見つめながらコネコちゃんとか言わないでください。法廷はバーカウンターじゃないんだぞ。

○狩魔冥
 空の検事席からあのムチが光り輝いた瞬間、コントローラーを手放して小躍りしてしまった。
 大好き。法廷に立つ理由が何であれ、御剣怜侍に勝つ場所があるならと、わざわざ海外から飛んできてくれる努力と執念の女。ほんと好き。
 3話「逆転のレシピ」では、イトノコ刑事が「待った!」と証拠品を携えて法廷に駆け込んでくるシーンがあるが、前作の冥ちゃん思い出して目頭が熱くなった。思えばここから再登場の兆候はあったということだ。
 風邪っぴき成歩堂に同行して探偵パートを進めるときに、ライバル心を隠さないながらも、成歩堂が道を逸れそうになときはムチを振るって軌道修正してくれる。超頼りになる。少し世間知らずなところも良い。せんべい布団を知らない。修験堂の鍵を一人現場残り、解除しようと奮闘するところも諦めの悪さが出ていて好き。
 そこのヒゲ。キリオ嬢とお茶会のスケジュール入れといて。

最高な女

○美柳ちなみ
 某サイトの紹介文には、逆転裁判シリーズにおいてトップを争う悪女とあったが、正直かなり好きなキャラクターである。
 口が裂けても良い人間とは言えないし、犯罪からの逃げ方が「他人に罪をなすりつける」の一辺倒だが、生来の悪女ではなく、彼女を悪たらしめる所以が確かにそこにあった。
 裁判長含め司法への根回しがもう少し巧みで、弁護側があの事務車関連の人間でさえなければ、幾度も完全犯罪を成し遂げられたであろう可能性の塊のような女だった。
 5話において霊媒によって死後法廷に立たされた時、成歩堂のことを「甘ったれで人を信じることしかできない」「初めて出会った時から大嫌いだった」と評したところが特に好きだ。時間の経過だけで恋愛感情を錯覚するキャラクターは苦手なので、終盤で「ちゃんと好きだったよ」にオチないところが本当にポイント高いです。

○華宮霧緒
 続投だなんてつゆ知らず、「お久しぶりです」と言われたときには声をあげて喜んだ。最高。大好き。敏腕マネージャーの前作から、ドジっ娘要素が追加されてキュートさに磨きがかかった♡かわいいね♡
 狩魔冥が登場してからキリオ嬢との絡みくれ・・・!頼む・・・!と心から願うばかりだったが、エンドロールで冥ちゃんからムチの扱いを教えてもらったとの証言を提示されて拝み倒した。ありがとう依存と執着の女たちに光を与えてくれて。

かわいいーーーっ!


【まとめ】

 ゲームシステムの確立によって、キャラクターの深みに容量を割くことができたタイトルだった。これはシリーズものの強みだと感じる。馴染みのあるキャラクターたちはそのままに、彼らの過去や成長を見せることで物語としても読み応えがあって楽しかった。会社の看板を背負う人気タイトルのひとつになるのも頷ける。

○ありがとう成歩堂龍一
 これにて「成歩堂セレクション」もとい成歩堂龍一の物語は一度幕を閉じるわけでが、このコンテンツに触れられて良かったと思う。これで心置きなくアニメ版も漫画版も実写映画も摂取することができる。楽しみだ。思ったより沼が深くて危険だ。

○ありがとう狩○英孝
 EIKOの実況がなければ、モチベーションをここまで高水準で保つことは難しかったと思う。最近逆裁2の実況も始まったので楽しみが増えた。はやく狩魔冥(CV.狩野英孝)がみたい。今作もフルボイスに期待している。


 えっ・・・!「逆転裁判456 王泥喜セレクション」では成歩堂龍一がダウナー系パパに・・・!?そんな、耐えられません!この供給に!!たすけて!!!


【参考】

○逆転裁判シリーズ公式サイト

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