いつか、約束をしてみたい

大好きな人がいる。

ただ、私は結婚もしているし、向こうにも結婚を約束した彼女がいる。
だけど、それでも。会った時に、私は彼のことが好きで、彼も私のことを忘れていないことに気づいてしまった。

飲み会の場で彼と隣になったとき、ひとつひとつの会話に、ぎこちなさと居心地の良さと、愛おしさで胸がぎゅっとなる。
限られた時間しかないから、たくさん話をしたいはずなのに、言わなくても伝わってるかのような、一緒にいるだけでいい、そんな気持ちだった。相手の顔、たくさん見たいのに見れない。
言いたいこともっと言えなくなっちゃう。

帰り際，また会えたら、と会話を交わす。
別れたあとで、やっぱり伝えたいことあったな、確認したいことあったな、と酷く後悔するのもお決まりなのだ。

次は、勇気を出して彼に約束を取りつけてみよう。
「ねぇ。私たち、約束しない？いつか、旅行に行こうよ。30年後もお互い好きだったら」
その時が来ることがなかったとしても、忘れたとしても。
どうせ、連絡も取り合わないんだ。だから、
長い間2人でミッションをクリアできたら、約束を2人で果たそう。
会えない長い間、どうせなら楽しく過ごしたい。

そんなことを考えながら、揺れる電車に乗って、
いつ会えるかわからない次を期待している。