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介護の世界に引き込まれて

あたしが介護の世界に入ったのは
高校卒業してすぐ。
元々高齢者が好きとかもなく、むしろ自分のおばあちゃんとは仲が悪かった。
ただ、就職口がなかっただけだった。
近くて、お給料の良かったってだけの理由で特養に就職が決まった。

そこからは、ずっと面白くなかった。
日中は、おしめ介助、ティータイム、お風呂介助の繰り返し。
夜勤の日は、寝ない人を引き連れてのおしめ介助。
人の死の恐怖。

いつからか、利用者様に対して失礼な態度や行動を取っていた。
それが職場での普通だったから、違和感はなかった。

毎日行くのが、憂鬱になり資格を取ってしばらくして辞めた。

何で資格を取ったかは、わからない。
嫌な仕事なのに取った。
嫌な事ばかりだったけど、利用者様の寝たきりで話をしない人が、調子の良いときに発する言葉。調子の良いときに返ってくる返事。時々見せる笑顔。悪態ばかりついて暴力をふるうご利用者様の笑顔やありがとう。それは嫌なことではなく、むしろあたしにとって癒やされた。

勉強ができないあたしだ。
当時、実技試験もあり教えて貰える先輩も居なく独学で挑戦した。
運命みたいに1発合格。

そして子育てをして少し子どもたちも大きくなったから今の介護職に至る。

今はデイサービス。
顔を覚えていただけること、話しかけて名前を呼んでくださること、笑顔が常に耐えないこと、自分の悩んだことを直接ではないこともあるけど表現してくださり、それにあたしが応えられること。そんな日常では普通のことだがその普通をありがたく思える瞬間だ。
この介護の世界に入ってよかったなぁと思う。


それとは、逆に特養で過ごしたあの時間を思い出すと、ご利用者様に失礼な態度を取ったこと、もっとあたしができることをあったな。あんな事こんな事してあげたかったな。もっと先輩に意見をすればよかった。と悔やむ心が湧いてくる。


これからも、その心を背負ってご利用者様に向き合う。
そして、気づかせてくれてありがとうございます。と今まで関わったご利用者様に伝えたい。





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