機動戦士ガンダム水星の魔女と蒼穹のファフナーについての考察

※蒼穹のファフナーに関するネタバレがあります。ご注意ください。

・水星の魔女における『ガンダム』と操縦者の関係性について


巷では1話の展開から多くの方に「少女革命ウテナじゃん!」と言われている今期のガンダムですが、PROLOGUE、1話、ゆりかごの星を履修した結果、個人的には上記ツイートのように、操縦者と機体との関係性に蒼穹のファフナーを連想しました。水星の魔女において、ガンダムが人類が宇宙で活動するために作られたものであるように、ファフナーと敵であるフェストゥム因子を埋め込まれた操縦者もまた、人類がフェストゥムに対抗するために作られたものであり、両者共、生き延びるため、未来のための選択でした。しかし、それには大きな犠牲が伴います。水星の魔女PROLOGUEでデータストームによる身体へのダメージが指摘されていたように、ファフナーにおいても長期間機体に乗り続けることは同化現象を生じさせ、様々な身体的障害を引き起こし、操縦者の寿命を縮め、同化現象の最終段階では肉体の結晶化により、操縦者は「いなくなる」というものでした。それ以前に、ファフナーに搭乗するために必要とされるフェストゥム因子の影響により多くの犠牲者が生じていたことは、ファフナー無印で23才だった登場人物たちの同級生の生き残りがたった3人であること、羽佐間翔子がフェストゥム因子が原因で内臓に異常を来しており、生来虚弱であったことなどからも伺えます。
無印における同化現象は、主に、要咲良の脚が不自由になる、春日井甲洋のフェストゥム化、真壁一騎の失明などを引き起こしています。ファフナーの開発者の一人であるミツヒロ・バートランドの「彼らは結局、ファフナーを動かす電池にすぎん」という台詞にあるように、無印初期は人類の未来を切り開くため作られたはずのファフナーが、操縦者の命(未来)を奪うという皮肉な結果をもたらしています。
PROLOGUEを見る限り、GUNDフォーマットおよびガンダムをエリィ(スレッタ)の父であるナディム・サマヤ、ウェンディ・オレント、そしてガンダムを操縦したエリィ(スレッタ)自身にも、短時間でデータストームによる健康被害を現す顔の模様が浮き出ていたことから、少なくともPROLOGUE時点では、ガンダムはファフナーと同じように人類の未来のために作られながらも、それに乗ること=搭乗者の生命を危機に晒すことに繋がることがわかります。

・スレッタはなぜ『魔女』なのか

ファフナー無印では、竜宮島を占拠した人類軍のパイロットがファフナーに搭乗するも、フェストゥム因子を持たないため、ファフナーと一体化する感覚に耐えきれず拒否反応を起こしてしまうという場面がありました。
水星の魔女においても、「想像してください、非生物機構で動く18mの巨大な身体を。搭乗者の負担は計り知れませんよ」と指摘されています。
水星の魔女のファフナーの違う点は、ファフナーの搭乗者が出生前にフェストゥム因子を組み込まれ、予めパイロット候補して生まれていることと異なり、スレッタはそのような遺伝子操作などを行われていないにも関わらず、ガンダムエアリアルを目覚めさせたこと、すなわち他の人間とは違う異端の存在である、ということから水星の『魔女』なのではないかと解釈しました。
今後、水星の魔女において、スレッタがなぜ『魔女』たり得るのか明らかにされていくのではないでしょうか。そう考えるとこれからの展開がとても楽しみです。

・あるいはガンダムエアリアルは完成している?

1話の決闘シーンでミオリネ・レンブランが、エアリアルに搭乗するシーンがありましたが、PROLOGUEにおいては短時間で搭乗者の顔にデータストームによる健康被害を現す模様が浮き出ていたにも関わらず、『魔女』ではないミオリネにも、その後エアリアルで戦闘を行ったスレッタにも顔の模様は浮き出ていませんでした。このことから、ガンダムエアリアルは既に完成しているのではないかという可能性が浮上します。
もし操縦者を蝕むことなく戦えるガンダムが完成しているのだとしたら、周囲がその存在を見過ごすとは思えません。この点においても、今後の展開が気になるところです。

・おわりに

以上、水星の魔女の感想でした。
アマプラ視聴勢なのでまだ2話を観れていないので、いろいろ齟齬があるかも知れませんが、いまのうちにしか書けない感想を書いておこうと思い筆をとりました。
OPテーマが「祝福」なのも、物語中『祝福』が重要な意味を持つファフナーのことを思い返すと、ファフナークラスタとしては個人的に見逃せないキーワードです。
結局何が言いたいのかというと、みなさん水星の魔女と蒼穹のファフナーを見てくれ、ということです。

それではまたお会いしましょう。
みつき桃🍑拝(@momo_aka0301)

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