2024年5月10日、13時 それは、豊島の小高い場所にあった。直島からのフェリーが到着した港から4kmほど。海を左手に見ながら、起伏のある道をレンタカーで進んだ先だ。車から降りてまず心奪われたのは、その小高い丘から臨む海の美しさであった。空、浮かぶ島々、水が、種々の青を揺蕩わせていた。青白磁の色で空と海の境は揺れていた。浮かぶ島は勿忘草色に霞んでいた。波はあくまで優しい青碧の漣だ。ここで、スモークサーモンのサンドイッチに冷えたハーフボト