【深夜枠】明日、海を見に行こう

海にもいろいろあります。大きな海、小さな海、自分から遠い海、近い海、冷たい海、暖かい海、明るい海、暗い海…もっともっとたくさん。

だけど、どれも海であることには変わりありません。海はどこかでほかの海とつながり、どこまでもどこまでも続きます。

あんまり果てしなく続くから、どこのどの海にいたって、漕ぎ出してきたどこかの誰かに必ず見つけられる。
海に裏はないし、逃げも隠れもできない。
海も、脱ぎたくても脱げない自分が生きている現実そのものなんだと思うんです。

自分の存在する現実の波に何が流せますか。
どこかの誰かに必ず見つかってしまうのに。
流したものがほかの誰かを励ますかも、傷つけるかも知れないのに。

でも。流してしまうんです。わたしもそうだから。

わたしは、海を眺めながら、探しています。ここにはいないけれど、同じ世界のどこかの海を見つめるひとを。楽しいことも悲しいことも共有できたら。わかり合えないことをわかりながら、語り合えたら。
そんなときを、そんな出逢いを待ちわびていたんです。

これからも、この海辺から手紙を書きます。書いて、海に流します。

届くといいなあ。