「3密を避けましょう」を教わる子供たちの将来は?

保育園や幼稚園に今年入園された子供たちは、まず「3密は避けましょう」と教わります。初めての社会的学習の場で「右も左も」わからないまま「3密を避けましょう」と習うわけです。「感染予防」のため「当然」の対策ですが、初めての集団生活で、まずこの言葉を教えられる子供たちは将来どうなるのでしょうか?

感染が収束した後も「3密はいけないこと」とすり込まれていないかとても心配です。そうでなくても、現在は昔に比べて子供の頃につかみ合いの喧嘩をすることは少なくなって来ていることでしょう。つかみ合いの喧嘩を推奨しているわけではありませんが、身体的に「痛い思いをする」のも人生の学習機会では無いでしょうか?どのぐらいの強さなら、どのぐらい痛いのか?また攻撃したこちらも「痛い」ことに気づくことができるでしょう。テレビゲームやオンラインゲームでは「リセット」すれば「命」さえ復活してしまうのです。SNS中心の会話で「直接会話する能力」も低下していると言われています。さらに「3密はいけないこと」と認識してしまえばますます直接接触する機会を避ける傾向が加速していきそうです。

私は診察時、患者さんの「緊張度」や「顔色」「発汗」「呼吸数」「声のトーン」「姿勢」「歩き方」など全て観察しています。オンラインではわかりにくいところが医療には多いと感じています。直接会って相手の状態を診察するには「経験」や「訓練」をしなければ身につきません。直接接触する機会が少なかった子供たちが将来医師になった時の「診察技術」なども低下しないか心配です。他の接客が必要な仕事やチームが必要な仕事など、どんなにITが進歩しても「直接接触すること」を人間社会は必要とする場面があるような気がします。

「今は3密は避けましょう。でも怖い病気が無くなったらみんなで集まって楽しく遊びましょう」などと少し解説されるのも良いかも知れません。繰り返せば子供たちはその意味を必ずいつか理解することでしょう。

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