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まさに迷走、2021年3月の相鉄ダイヤ改正にもの申す。

相鉄ニュースリリース 3月13日ダイヤ改正
https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2021/pressrelease/pdf/r21-07-b9h.pdf


迷走するほど路線はないだろうに、というのが率直な感想だ。
我が地元を走る相模鉄道、略して相鉄が2019年11月に続き、早くもダイヤをいじることを発表したのだが、JR乗り入れでの大改訂で標榜した「都心へ早く」のスタンスをもう放棄したようだ。
この記事では、改悪から更なる改悪に見舞われる相鉄本線の三ツ境ユーザーの視点から、この鉄道会社を叩いていきたい。

●特急の存在意義が更に疑問に●
現在、横浜→西谷→二俣川[→大和→海老名の(おいらが勝手に呼ぶ)「横浜特急」と、西谷から相鉄本線に入ってくる「JR特急」の二種類が走っているが、3月以降は「JR特急」がなくなり、これらが全便各停になる。
正直なところ、現在は特急の為に不可解な追い抜きが実施されており、特急の減便は相鉄本線のユーザーには大歓迎ということになる。
というのも、特急停車駅の大和の横浜側手前駅である瀬谷で、各停が追い抜かれているのだ。これは、大和が島式二線で追い越しや乗り継ぎができない為に、瀬谷で追い越しをしなければならないという事情がある為だが、実は夕方ラッシュ時には大和を出た各停が、瀬谷で約3分も次発の特急を待たされることになる。これは、相鉄本線の二俣川、横浜利用者以外にはただただ乗車時間が長くなる改悪事項になっていた。
「JR 特急」の消滅でこうしたバカげた追い越しが減るのであればいいのだが、逆に本線からJR を利用しようとしている、特に二俣川やいずみ野線利用者には、鶴ヶ峰を通過して武蔵小杉方面に向かうことがてきなくなり、これはこれで改悪ということにもなるだろう。
ということで、改めて相鉄に特急を走らせる意味が問われることになるだろうことは、間違いがない。
そもそも、都心へ早く、は相鉄の悲願ではなかったのか?その為の乗り入れ、そして空気を運ぶ特急の為に、それが通過していく駅の利用者には我慢を強いているのではないのか?
たった1年半で、競合する小田急やJR東海道線に勝てないと諦めるくらいなら、なぜ乗り入れなどやってしまったのか?という話にもなりそうだ。

●急行を廃止するつもりか?●
相鉄の急行は本線でしか走っていない優等電車だ。
横浜を出ると次は二俣川で、そこから海老名まで各駅に停車していく。現在、西谷を通過する唯一の運行形態となっており、本線利用者には今後の成り行きがずっと心配されているものでもある。
その急行が、なんと昼の時間帯は全廃になる。全て快速に格下げされるのだが、これがおいらなど本線利用者には最大の改悪ということになるわけなのだ。
三ツ境から横浜へ行く場合、急行で希望ヶ丘→二俣川→横浜で済んでいたものが、快速では希望ヶ丘→二俣川→鶴ヶ峰→西谷→星川→横浜が最速となり、停車駅数だけを見ても明らかに時間が余計にかかることがわかるだろう。まさにふざけるな相鉄、だ。
おそらく、西谷を乗り入れ分岐駅としたことが全ての元凶と言えるだろう。
かつて、相鉄は各停を横浜→二俣川のみ、急行は横浜→海老名というシンプルな運行形態だった。その後いずみ野線が開通して各停を二俣川からいずみ野までに伸ばし、湘南台延伸からあれこれ始めるようになった。
このY字時代の試行錯誤は、西谷を乗り入れ拠点としたことで優等電車の乱発という事態を生むことになり、実際にJR乗り入れが始まる際のダイヤ改正ではラッシュ時のみ「通勤急行」という「無理矢理急行を西谷に止める」パターンまで走らせるようになり、これが大不評を呼んでいる。ほとんどの人が横浜まで行きたいのに、必ず西谷に止まらなければならなくなったのだから、それも当然の話ではある。
しかも、今回のダイヤ改正は、来年予定されている東急への乗り入れでまた実施されるダイヤ改正での急行全廃への布石ではないか?という声もある。
本当に相鉄という会社は本線の利用者をどう考えているのかと問いただしたいところだ。

●快速は全て海老名行きに、つまり、いずみ野線には各停しか走らなくなる●
これは既に過疎化、ローカル線化が囁かれているいずみ野線の空虚さに、拍車をかけることになるだろう。
そもそも、前回のダイヤ改正でいずみ野特急が廃止され、ラッシュ時にのみ通勤特急を走らせる形にはしていたが、状況としては湘南台開通時代に戻ることになる。
いずみ野線沿線の開発は相鉄としても力を入れていたものの、最初に開通したいずみ野までの区間も人口は頭打ちで、更に南を走って湘南台まで繋がった横浜市営地下鉄も苦戦を強いられている。戸塚区西部、泉区は鉄道を敷いた程度では人口爆発を起こせず、単なる未開地をニュータウンという名のゴーストタウン化しただけという、横浜の抱えるバフルの負の遺産そのものになっている。
今度のいずみ野線軽視は、東急乗り入れによるダイヤ改正で更に減便という形で表面化することになるかもしれない。

●星川始発の各停が新設されるが・・・●
実は、今回のダイヤ改正で最大の衝撃がこれだ。
ラッシュ時だけの運用だが、これで割りを食うのが上星川と和田町の二駅になる。つまり、切り捨てられた形になるからだ。
西谷からの乗り入れ決定で、将来は横浜までの区間が盲腸線化するのでは?と心配する声が出ていた中、特にこの二駅は過疎化が顕著になるという見方が出ていた。どちらも巨大な河岸段丘の底にあり、しかもそれを作った帷子川が流れている為に開発ができる土地が少ないというロケーションで、昭和の昔からほとんど景観が変わっていないような場所だ。
その為、横浜に近いことで住宅街が急な斜面を上るように広げられてきたものの、それも限界を迎えている。つまり、平成からこっち、人口が減るしかない土地柄がこの二駅でもある。
そこに、星川始発の各停が運転を始める、これはある意味上星川と和田町の街としての終わりを相鉄が示しているのかもしれない。

●そして相鉄は、何を目指すのか?●
東急乗り入れの完了で、相鉄は鉄道としての拡張計画を一段落させることになる。
今でなら、例えばいずみ野線延伸などでその沿線の不動産開発が相鉄の収入源になっていた。インフラ整備で土地の評価額を上げ、それを元に開発資金を得て更に利益を生む、まさに昭和のデベロッパーが相鉄のもう一つの顔だった。実際に、相鉄グループ全体の売上はその半分を不動産部門か挙げているのも、理由はそこにある。
しかし、乗り入れでは周辺の開発も同じように展開することはできないだろう。
例えば、新駅として開業した羽沢横浜国大駅周辺は、既に横浜市営バスの牙城にあり、相鉄開業で人の流れが変わることはない。なぜか?相鉄では横浜に直で行けないからだ。バスは長年この地域と横浜西口を早い上に安く結んでおり、今後も変化はないだろう。
行ってみればわかるが、西谷で乗り換えて横浜へ向かうより、バスを選ぶことになるはずたからだ。
なのでわざわざこの地を住みかとしようとする人は、武蔵小杉を通って東京への通勤を考えるというケーズに限られるだろう。横浜が至近なのにも関わらず、だ。
この微妙な感覚を吹き飛ばす何かがなければ、あの駅の周辺を開発することは難しいのではないだろうか。
一応、横浜国大に通学する学生用なのか、西谷とこの駅の間を往復するシャトル便を相鉄は増発するらしいが、コロナで大学がオンライン授業を継続している間は空気を運ぶだけになるはずだ。どうにもこうにも、儲かる方向には進むようには見えない。

とまぁ、ここまで相鉄を育ててやったと自負する本線利用者は、完全にないかしろにされたと腹を立てている、という話をだらだら書いてみた次第だ。

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