2つのエピソード
茶色の財布を見て思い出すことは、2つ。
1つ目のエピソード。
仕事帰り、ふと見ると使い込んだ茶色の革財布が道端に落ちていました。
端から見えた限りでも3~4万円入っています。
たぶん、若い方の財布ではなさそう。
20代の私は目の前の大型スーパーのインフォメーションに届けました。
書きたくないと言ったのですが、必要な書類なのでと言われ名前と住所、電話番号を記入。交番みたい。
次の日、見知らぬ男性から電話が掛かってきました。母から電話を替わると財布の持ち主でした。
ご年配かと思われる男性からお礼をさせて欲しいと言われ、断ったのですがどうしてもさせて欲しいと、奥様もお礼がしたいらしい。
好きな物は何ですか?
コーヒーです。
2日後、コーヒーセットが届きました。
嬉しいけど個人情報が駄々漏れです。
もう1つのエピソードは、小4頃の話。
妹と一緒の習い事の帰り道。
ねえ!財布を落としたんだけど、知らない?
と、男性から突然声を掛けられた私達。
どんな財布ですか?
と、私が聞くと
茶色の財布だよ。
知りません。
と言い帰ろうとすると、たぶん20代後半くらいの少し丸顔メガネくせ毛の男性が
本当かなぁ?嘘ついてない?
嘘じゃないです!
そうかなぁ?怪しいなぁ?
調べるからこっちにおいで。
と、暗い駐車場に呼び込む男。
着いていこうとする妹!
咄嗟に妹の手を取り、
走るよ!
ダッシュで逃げ去りました。
怪しいのはお前だろ!怖いわ!
妹には変な人には絶対着いていったら駄目だよ!と注意して、その後は特に何もなかったのですがそれから数ヶ月後。
連続誘拐殺人犯逮捕。
犯人の顔は、似ていました。
今でも犯人だったのか?別人だったのか?
とても気になりますが、着いていったら殺されていた可能性もあるかと思うとゾッとします。
茶色の財布を見ると思い出す、2つのエピソード。
とても対照的です。