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ガンバレ 子ツバメピースケと (10)もりのふるぎやさん

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子ツバメの巣立ちと お兄ちゃんとなあちゃんの夏休みに起きた不思議な冒険物語。楽しい昆虫達がいっぱい
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#夏休み

K-01 もりのふるぎやさん:雑木林のできごと

カマキリの抜け殻み~つけた! 『アレレ これは何だろう 小さいけどカマキリかな・・・ああカマキリの抜け殻だ。』 『お兄ちゃん 見せて 見せて!』 確かにそれはカマキリの抜け殻です。こんもりした雑草の葉の上にありました。 『カッコいいな 頭からしっぽまで完全な形してるよ。』 これはマークンとナーチャンが家の近くのグラウンドに遊びに来た時のでき事でした。 二人は最近隣町からこの街に引っ越してきたばかりです。マークンは小学校三年生 ナーチャンは幼稚園の年長さんです。慣れ親しんだ

K-02 抜け殻や羽は 森の宝物?

もりのふるぎやさん お店には 『もりのふるぎやさん』という看板が出ています。 さっき見つけたあの小さなカマキリの抜け殻は あらあら お兄ちゃんがしっかり抱きしめていましたが 今では二人の背丈ほどもあります。子供達がスゴクちっちゃくなっちゃんたんですね。 その時後ろから声をかけられました。 振り向いた子供達はその声の主の姿を見て 思わずギャっと悲鳴をあげてしまいました。自分達と同じくらいの大きさのカマキリが立っていたのです。いえ正確に言うと カマキリの格好をした人間の子どもが

K-23 完結:もりのふるぎやさん

お別れのことばをみんなで輪になって いっしょに唱えよう!  西の空にかなり傾いたお日さまが日暮れの近い事を伝えていました。 もりのふるぎやさんのお店に戻ってから トカゲおじさんに羽と衣装をはずしてもらった時 みんな同じ気持ちだったと思います。マークンもナーチャンもそうです。もう少しだけこのままの姿でいたかったなあ・・・。 『さあ お別れの時がきたようだね。みんな輪になって右手を前に出して。おじさんの唱える言葉を みんなも一緒に唱えておくれ。そして最後にその右手を思い切り振