不器用な親友

中学時代、3年間私は同じクラスの女子からいじめを受けていた。小さな島の小さな学校。1学年1クラス。私のクラスは15人中5人しか女子がいなかった。その中でのいじめはどこにも逃げ場がなかった。両親は厳しくやっとの思いでいじめられていることを告白したが、休ませてはくれなかった。家にもいれず中学1年生の私には反抗もできなかった為学校に行くという選択肢しかなかった。辛くて行きたくなかった。でもそんな弱音を吐くべき場所もなかった。そんな時、中2の頃に転校生がやってきた。それは後の親友だった。親友は無口で無表情。とても人に誤解されやすい人だった。でも本当は沢山辛い経験もして誰よりも心の優しい、人の痛みがわかる人だった。お互い不器用で人見知りだったが不思議と仲良くなるのに時間はかからなかった。親友といるだけで安心できた。でも、そんな幸せな日々はすぐに壊された。次第に親友もいじめられるようになった。何も知らない親友が、私と仲良くしてるだけで受ける辛い仕打ちに私は耐えられなかった。だから親友を突き放すことを決意した。親友が来ても話もせず「向こう行って」そうやって離れていくことしかあの頃の私にはできなかったし、そうすることで親友が幸せなんだと真剣に思っていた。でも、親友はそれが嘘なんて初めから見抜いていた。だから私の傍から離れることは無かった。痺れを切らした私は親友を怒ってしまった。「うちはあんたが嫌い。うちといるだけでいじめられる。そんなの耐えられない。早く離れて。」そうやって大きな声で怒鳴ってしまったこと今でも深く後悔してる。でも親友は、「うちはあんたと仲良くなりたい。人をいじめるような最低な奴らと仲良くするくらいなら一緒にいじめられた方がましだわ。」そう真剣に目を見て言ってくれた。あの言葉がなかったら、親友が離れていったあとですごく後悔している自分を想像した。あの言葉で私は救われた。辛くて投げ出したくなる時もあったけどあなたのこの言葉を思い出す度に私を受け止めてくれる人がいるって自信になってるよ。きっと親友は死ぬまで私の大切な友達。

#君の言葉に救われた

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