「詩人が詠うふるさと」 - 三木露風 - [ルポ]
夕焼小焼の 赤とんぼ
負われて見たのは いつの日か
三木露風。その名前は知らなくても、「赤とんぼ」の歌詞を知らない人はいないだろう。
三木露風(一八八九~一九六四)は龍野(現兵庫県たつの市)に生まれた。龍野はいまも武家屋敷や白壁の土蔵などの町並みが残る五万三千石の城下町だ。原生林の茂る鶏籠山や市内を流れる揖保川の景観はどこかなつかしさをおぼえる。
白鷺山の展望台から市内を見下ろしている。風の音、鳥のさえずりに混じって、遠くから子供たちの弾けるような笑い声が聞