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【梅園魚品図正】(36) 瘤鯛(かんだい)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻1

瘤鯛カンダイ

『佐渡國界記』佐渡にて カンダイと云ふ。東武にて同名。
馬鱗魚イガミ 伊勢、紀州
磯アマ鯛、ブダイ 紀州の方言の アマダイ

※ 「瘤鯛カンダイ」は、コブダイのこと。
※ 「東武」は、武蔵国むさしのくにのこと。または、江戸の別名。
※ 「紀州」は、紀伊国きいのくにのこと。

甲午三月廿二日 真寫
海魚

細鱗厚硬而松毬に似たり。料家、包丁を不卸鱗、共に煮食ふ。海魚の鱗の侭食ふは、此魚のみ。味淡薄肉堅白劣。

※ 「松毬」は、松ぼっくりのこと。松毬まつかさ
※ 「侭」は、まま。


筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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