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観音霊験記 秩父巡礼】第十一番坂氷南石山常楽寺/住持門海

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
観音霊験記 秩父巡礼十一坂氷南石山常楽寺 住持門海

観音霊験記 秩父順禮ちゝぶじゆんれい 十一ばん 坂氷さかこほり南石山なんせきざん常樂寺じやうらくじ

 つみとがも きえよといのる 坂氷さかこふり
   あさひはさらで ゆふひかゞやく

奉額
 らうはやし して火燵こたつも ゆきの山

住持ぢうぢ門海もんかい
門海もんかいは、智徳ちとくすぐれたるひじりにて、當山たうざん仁王門にわうもん建立こんりうせしけるが、普請ふしんなかばに邪気じやきおかされてふしけるが、藥服やくふくもはか/\しく しるしもなければ、本尊ほんぞん快気くわいき記念きねんしけるが、その夢中むちう貴僧きそう きたりて、われよくなんぢ邪気じやきさしめんと のたまへば、ふしぎとその金剛神こんがうじんあらはれいでて、門海もんかいとつひきたつるとおもへば、ゆめさめぬ。

※ 「はか/\しく」は、はかばかしく。

その翌日よくじつより たちま平癒へいゆしければ、本尊ほんぞんをいよ/\信心しん/\しけるに、なほ 數多あまた灵驗れいげんかうむり、長寿ちやうじゆたることひとへ當寺たうじ利益りやく、ふしぎといふもおろか也。

※ 「灵驗れいげん」は、霊験。



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