燕都の見図(3)
※ 「燕都」は、江戸のこと。
施我鬼する のりの利益は ● より こうの見へたる 羅漢寺の屋根
万亀亭 江戸住
※ 「施我鬼」は、盂蘭盆に、餓鬼道に落ちて飢餓に苦しむ無縁仏や生類のために催す読経や供養のこと。施餓鬼会。
三圍
鉦の緒の のびし日あしを 三圍や鳥居もこゆる 松の夕影
大眼玉丸
※ 「鉦の緒」は、神社の拝殿にある鈴などにつけてある緒綱のこと。
※ 「三圍」は、三囲 稲荷社 。
梅屋舗
東ちねの風をまぢえて かほるらし 名におふ華の 臥竜先生
秌田萬作
※ 「臥竜」は、臥してうずくまっている竜。すぐれた能力を持ちながら、世に知られていない人のこと。
深川
遊楽にあらぬ 遊女のほりものは ● ● 小梅のうらふく三重
結●嶋吉
飛鳥山
きのふより ましてあすかの さくら狩 花に ● れ来る まれ人の山
陽鳴亭 鶴成
※ 「まれ人」は、客のこと。まろうど。
不忍池
瀧泉の ひゞきはたへず 琵琶の音の べん財天下一のはす池
古今亭 音人
※ 「べん財天下一」は、弁財天と天下一の掛詞になっています。
山王
三筋ほど けふ置そむる髪の毛を まもれ三万三千の猿
日頭番 金垨
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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