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【梅園魚品図正】(38) 八目鰻(やつめうなぎ)/黄顙魚(ぎぎ)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻1

八目鰻

『大和本草』 八目鰻 ■ [■は魚+丙+丙+鹿] ヤツメウナキ

八目ウナキ目
ひれに八九穴あり。真の眼無之口如袋。水かきの鰭無 似 蛇 自ら遊ぐ行こと常のウナキと同じ。センを八目ウナキとす。『大和本夲草』に別種なりと云。『食競』啓益の説、相同。予、鱓魚はウツボウナギ也。

※ 「食競」は、『巻懐食鏡』のこと。
※ 「啓益」は、『巻懐食鏡』の著者で江戸時代中期の医師、香月牛山かつきぎゅうざんの字名。

武江氷川為川猟 甲午八月三日
或人捕之送 真寫

※ 「武江」は、武蔵国むさしのくに江戸のこと。


■■魚ギ々 [■は糸+盎] [■は糸+系]

『時珍』『食物本草』載無鱗魚
ギミバチ 江戸
ミコ魚 山州
蜂振ハチフリ 筑紫 ひれに刺ありて人をさす。故に方言とす。

『本草』及『食競』出 黄顙キゞ魚 䱀䰲
 黄䰲
 黄□魚 古名
 黄頬魚 『詩註』
『盛京通志』 昴思
『詩經名物圖説』 剛腮魚
『王子通』 䱀魚
『□史』 燕頭魚

※ 「山州」は、山城国やましろのくに

甲午五月廿四日於 戸田川猟 真寫
二種

此者、太羅と訓ず。甚誤也。
 『本草圖經』  可知。時珍『食物本草』  ■[糸+盎] ■[糸+系]魚   此者 異名相同。生 ルヲ   サイタンホウと云。
ルヲ   ギゝハチと云。■[糸+サイタンホウ盎] ■[糸+系]魚、形狀相同じ。キゝは、其鳴声を以名く。



筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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