お題:転生
僕の名前は小口 ロン(おぐち ろん)
……のはずだ。
目が覚めるとなぜか身体が動かない。
いや、そもそも僕はどのように動いていただろうか。
そんなことを考えていると都合よく目の前に水が。
水、みず、ミズ……
無性に欲しいけど届かない。
風に揺られ俺の姿らしきものが見えた。
見たことある。なんだっけ。
あぁ、確か"ヒガンバナ"だ。
ボクはヒガンバナ。
なにしてたっけ。
まぁ、いいや。
アリさんおはよう。
トリさんこんにちは。
ネコさん折らないでね。
〜♪
??
なんだろう。
しってる。
すごくなつかしいきもち。
〜♪
そうだ。
ボクは、ヒガンバナ、……じゃない
ボクは、僕は……!!
「……おーいオロロン〜そろそろ起きろ〜」
「?!あれ、僕、人?あれ???」
「オロロン寝ぼけ過ぎw」
僕はどうやらかなりの時間を眠っていたようだ。
起き上がった僕の様子を見て副部長はケラケラと笑っている
「ずっと寝ちゃってたみたいで……すみません……」
僕が素直に謝ると部長も少し笑いながら、
「いいよ〜(笑) 今日の文化祭で疲れちゃったのかな?」
と言ってきた。
そうか、今日は文化祭だったんだ。
けどなんだかさっきまで見ていたような夢が強く印象に残っていて実感がわかない……。
僕がモヤモヤとした感情で唸っていると、いつの間にか窓に座っていた副部長がポーンッと軽やかに降りてきた。
「そうだ!オロロンも一緒に出し物で歌った曲歌おうよ!!」
「曲……あ、」
そうか、さっき夢の中で聴こえたのは。
そして、もしかしたらあれは夢ではなかったのかもしれないな。
僕が「ふっ」と笑うと2人は不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「??どうしたの??」
問いかけてくる部長。
「いや、この曲いい曲だよな〜と思って。」
「わかる〜!!じゃあいくよせ〜の」
副部長は掛け声と共にCDプレイヤーのスイッチを押した。
〜🎶
あぁ、やっぱりこの曲は。
これできっともう忘れない。
僕の名前は小口 ロン。
さぁ歌おう。
「エーデルワイス エーデルワイス♪」
(彼岸花:転生 エーデルワイス:大切な思い出)
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