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今私にできることは拍手しかなかった。

約1年ぶりに今日は野球観戦に行ってきた。
私は福岡在中のロッテファンである。千葉ロッテマリーンズの本拠地は千葉。福岡に来るのは年に4度ほど(3連戦×4回=12試合くらい)あるなか、毎年10試合程度現地観戦に行っている。年に1度は旅行がてら他県に遠征に行ったり、キャンプを見に行ったり。詳しくは観戦記録を見ていただきたい。

今年はコロナの影響もあり、シーズンが始まったのは6月。
3月に見に行く予定だったヤクルトのオープン戦も、ロッテの開幕戦も、交流戦も、全てが無くなり、いつになれば野球が始まるのか、ずっと待ち遠しかった。
初めての無観客試合は、新鮮さもあって面白かったが、やはり歓声の無い寂しさが募った。ようやく観客を入れ始めることはできたものの、客席を減らし、38,000人収容の福岡ドームの席発売はなんと5,000席。年間シート購入者で全て埋まってしまうのではないか。カープファンの上司とそう話していた。

9月4、5、6日のロッテ戦チケット発売は1週間前だった。ホークスのクラブ会員では無いので、抽選に申し込むことはできず、一般先行でチャレンジしてみたものの案の定申込殺到による即完売で、チケットを取ることはできなかった。

今回は以前一緒にロッテ戦の観戦をしたことがある観戦仲間が、チケットが余っているということで譲ってもらえた。本当にありがたい。
ロッテ戦はあと2度、計6試合福岡ドームで試合があるけれど、チケットが取れる気がしない。今年は今日の観戦が最初で最後かもしれない、そう思って観戦していた。

いつもはロッテ応援席(ビジター席)のチケットを取り、応援団の音頭に合わせて手拍子し、応援歌を歌い、フラッグを振り、タオルを掲げ、ジャンプをする。点が入れば、左右前後の知らない人とでもハイタッチをする。勝利したときは皆で肩を組んで勝利の歌を歌う。それがロッテ応援の醍醐味であり、当たり前であり、これが楽しくて観戦に行くのである。

それが、その楽しみが、何もかも奪われた。

まず応援団がいない。応援歌が流れない。会話以外の大声は禁止だし、フラッグを振ることさえ禁止である。感染対策なのだから仕方のないこと、そう分かっているけれど、もどかしかった。
本拠地であるホークスの攻撃時には、選手が選んだ登場曲が流れ、あらかじめ録音しておいた応援歌の音声が流れるが、敵陣であるビジター側にはそれらが一切ない。ただ無音、静寂だけの時間が訪れるのである。

今回友人に取っていただいた内野S席は、選手との距離が近く、地声が聞こえるほどの距離だった。いつもは選手から一番遠い外野ビジター席で観戦するから、こんな近くで選手を見たことはキャンプ以外では無かった。こんなに、こんなに近くにいるのに、「頑張って」も、「応援してるよ」も何も言えない。

私たちにできることは、手拍子だけなのである。

それさえも大勢のホークスファンのメガホンを叩く音ににかき消されてしまっていたけど、気持ちだけでも選手に届いていたらいいな、と思う。きっと届いてると思う。

これだけ書いて言いたいのは決して文句ではない。
感謝。
感謝しかない。
これだけの感染対策を考え、実行し、徹底するのがいかに大変か分かっている。こうまでして、大好きな野球をお客さんが見れるようにしてくれていることにただただ感謝しかない。
選手やスタッフの方も感染リスクが全く無いとは言えないのにこうして遠征し、最高のパフォーマンスを見せてくれている。
興行収入は激減し、球団の経営や選手等の給料がどうなってしまうのか、まだまだ不安は尽きないけど、私にできることは変わらず応援を続けることしかないと思う。

今まで当たり前だと思っていたことが、突然当たり前ではなくなることなんて、震災や災害の経験で分かっていたつもりなのに。選手たちが野球をできること、そしてそれを見ることができることに、改めて感謝した1日だった。

久しぶりの観戦で、ロッテは見事に逆転勝ち!本当に嬉しかった!明日もあさっても勝てますように。優勝できますように。選手たちが、スタッフの方が今後も健康に過ごせますように。

沢山写真を撮ったので、近いうちに選別したいと思います。

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