モミエリアシアゲ
架空小説の書き出しを不定期で更新しています。 書いている理由は、自分の想像力を鍛えるためです。 ぜひ、本が好きな方は読んでみてください。
僕の日々を綴ったものになります。 気軽に読んでいただけたら幸いです。
僕が読んで気になった本たちを紹介します。
今の僕は友達が1人です。 こんな未来、君は想像できているかな。 おそらくできないよね。 足の速い君。 運動神経抜群の君。 勉強もそこそこできた君。 クラスで人気だった君。 「友達100人できるかな」 そんなこと、君には簡単すぎたね。 学生時代は友達作りに苦労しなかった気がする。 そんな君には少し残酷なことかもしれないが、 今は本当に友達は1人だけ。 でも、マイナスに捉えないでほしい。 もちろん、今の君からしてみると 友達が1人なんて寂しいことかもしれない。 でも、歳
山奥にひっそりと佇む泉があり、 その水を飲むと過去の秘密が 口からこぼれ出すと言われていた。 私はどうしても忘れられない記憶があり、 その泉に向かった。 泉の冷たい水を飲むと、 ふと口を開けてしまい、 幼い頃の記憶が溢れ出した。 忘れたかったはずの言葉や感情が、 泉の力に誘われるようにして声となり、 静かに泉に染み渡っていった。 誰もいない森の中で、 私は自分自身の過去と対話をしたのだ。 不定期ですが、 架空小説の書き出しをnoteに投稿しています。 よろしければ、
私は引っ越してきた新しい部屋の窓から、 向かいの部屋の住人が毎晩現れるのを見ていた。 彼は窓辺に立ち、 いつも同じ時間にこちらをじっと見つめている。 ある日、 勇気を出して挨拶をしようと カーテンを開けて手を振ると、 彼は何も言わずに消えてしまった。 それから数日後、 向かいの部屋は空き部屋だと 大家から聞かされたのだ。 あの時見たのは誰だったのか、 そして彼は何を伝えたかったのか、 私は今もその窓の向こうに答えを求めている。 不定期ですが、 架空小説の書き出しをn
私が朝目覚めると、 誰かが夢を盗んでいったようだった。 夢の断片すら思い出せない 不思議な感覚に包まれながら、 ベッドから抜け出してリビングに向かった。 テーブルの上には 昨晩置いた覚えのない紙切れがあった。 そこには「君の夢は甘かった」と書かれていて、 まるで遊び半分で盗まれたかのように感じた。 不思議に思いながらも、 その一文がなぜか頭から離れなかった。 あの日から毎晩、 知らない誰かが夢を盗みに来るようになり、 少しずつ私は夢の存在を信じ始めていた。 不定期で
夏の風が窓辺の風鈴を揺らしたとき、 私は小さな声を聞いた。 「帰ってきて」と誰かが囁くように。 家には僕一人のはずだったが、 その声は明らかに誰かのもので、 どこか懐かしさを感じた。 風鈴は、昔母が大事にしていたもので、 ずっと窓辺に飾られているものだ。 その音が、 時折遠い記憶を呼び起こすようだった。 風鈴の音色が、 忘れかけていた誰かとの時間や言葉を、 そっと蘇らせてくれる。 この夏の風と共に届く「帰ってきて」という声は、 もしかすると今も私を見守っている 誰かの想
人がひとりで生きていくことはできない。 誰もがそう感じながらも、 なぜか日常の中ではそれを忘れがちになる。 互いに支え合って生きている ということに気づくのは、 ほんの一瞬、ふとした瞬間に過ぎない。 そんなとき、「品性」という言葉が 心に浮かぶことがある。 この言葉には不思議な響きがある。 美しさや優雅さを感じさせながら、 同時に人としての強さや潔さも 含まれているように思う。 品性とは、外見や振る舞い以上に、 その人が心に秘めた思いやりや、 他者への配慮に表れるものなのだ
桜の花びらが舞い散る夜、 僕は生涯で初めて財布を盗んだ。 深夜、春の夜風に吹かれて、 咲き誇る桜の下でふらりと散歩していた時だった。 目の前には酔いつぶれて眠る男性がいて、 そのポケットから少しだけ財布が覗いていた。 好奇心が勝ち、気づけば手が伸びていたのだ。 ところが、財布を手にした瞬間、ふいに目が合った。 薄暗がりの中、目をこすりながら彼がこちらを見上げていた。 驚いた顔のまま彼が発した名前は、 僕の幼なじみのものだった。 何年も会っていなかったはずなのに、 運命の
火曜日の夜、彼女は決まって現れる。 カフェの片隅で、 何かを探すように周りを見回しながら、 ひとり静かに座っているのだ。 長い髪を持つその姿は、どこか哀愁を漂わせていた。 客たちは気づいていないのだが、 僕にはなぜか彼女が見えていた。 目が合うことはないが、 彼女はまるで、失くした何かを探し続けているように見えた。 何度も火曜日の夜に訪れる彼女の姿を見ているうちに、 僕も彼女の悲しみを共有している気がした。 不定期ですが、架空小説の書き出しをnoteに投稿しています。
真夜中、古びたビルの最上階には、 今でも幽霊たちがダンスを踊っているらしい。 ドアの向こうから漏れ聞こえる音楽が、 街の静けさに響いていた。 人々は噂話として囁くが、 実際にそのドアを開ける勇気を持つ者はいない。 しかし、そのドアを開けてみた者が口にするのはただ一言。 「忘れられない光景だった」 誰もが語りたがらないその言葉は、どこか悲しい響きを残していた。 不定期ですが、架空小説の書き出しをnoteに投稿しています。 よろしければ、フォローよろしくお願いいたします。
夜空を見上げると、 星のひとつがすっと輝き、消えた。 まるでどこか遠くの郵便局から 誰かが手紙を送ったかのように。 僕はその光に 何か特別な意味があるのだと思い込み、 心の中で誰かが送ってくれた手紙を 読もうとした。 「君は元気でいるだろうか?」という言葉が 心に浮かぶたび、 星たちは瞬きながら答えるように輝きを増す。 星空郵便局は、 言葉にできない思いを夜空に託し、 遠くにいる人へと届けてくれる場所だと 信じたくなる。 僕の願いも、 いつか誰かの心に届くのだろうかと考
突然、全ての音が消えた。 カフェの喧騒も、 街のざわめきも、 すべてが無音に変わっていた。 その瞬間、僕は周りの景色がいつもと違って見えた。 人々が口を動かし、物音がするはずの場所で、 ただ静かな影だけが蠢いている。 ふと自分の耳を疑ったが、 どうやら聞こえないのは僕だけではないようだった。 カフェの中にいる誰もが、 突然の静寂に驚き、立ち尽くしている。 「こんなことがあるだろうか?」と不思議に思いながら、 僕はこの沈黙の中で 一つの大事な感情を失ってしまった気がした。
今回紹介するのは湊かなえさんの「贖罪」という作品です。 湊かなえさんの作品といえば、ミステリーやサスペンスで心の闇を描き出す作風が特徴ですが、今回ご紹介する「贖罪」もまさにその一例です。 この物語は、少女時代に起きた悲劇的な事件をきっかけに、その後の人生が大きく変わってしまった5人の女性たちの贖罪を描いた物語です。 物語の中心となるのは、ある小さな町での悲劇的な事件。主人公の母・麻子の娘であるエミリが、友人たちと遊んでいた時に何者かによって殺害されてしまいます。事件当時、一
路地裏のカフェに、 猫のように静かに忍び寄る影があった。 暗闇の中、 光を反射して淡く輝く目が こちらを見つめている。 その眼差しは、何かを探るように鋭く、 それでいて妙に落ち着いていた。 やがて、影はスルリとカフェの裏手に回り込み、 そこに佇んでいた。 誰も気づかぬまま、 彼の瞳は店内の様子をしっかりと見届けている。 その影の正体は、 いつもこの街の事件を見守っている 「探偵猫」だった。 彼がこの街を支配する謎を 追いかけていることなど、誰も知る由もない。 ただの猫だ
ただの独り言ですが、 僕は便利とかっこいいは 相反するものだと思っています。 例えば、パーカーやスウェットパンツ。 これは便利さの極みですよね。 動きやすいし、 どんなシチュエーションにも対応できます。 でも、そのままおしゃれなカフェに行くと、 「ちょっと家着っぽい?」 と感じてしまうことはないですか。 パーカーのフードを被って鏡を見ると 「今日はいい感じだな」と思っていたのに、 外に出ると自信が急に薄れる瞬間、 皆さんにもあるかもしれません。 一方で、「今日はしっかり決
「色気」ってなんだろう? そんなことを考えたことありませんか。 よく「色気」のある人は魅力的と言われますが、 それは「エロ」という要素とは 別物であると思っていて、 もちろん「エロさ」も 魅力の一つではあるけれど、 色気とエロさは決して同じではない。 この違いを理解している大人でありたい。 そんなことをふと思いました。 高校生の頃、友人との会話で 「なんか、あの人色気あるよね〜」 と僕が話をしたとき、 「え、エロいってこと?」と返されて、 僕の中ではモヤモヤがありました。
最近、スマホの通知が多すぎて 「いつ休んでいいの?」 って感じること、ありませんか? Instagramのストーリー、 TikTokの無限スクロール、 そしてあの「未読100件」状態になっている LINEのグループチャット。 気づいたら1日が終わっていて、 「あれ、自分、今日何してたんだっけ?」って 頭の中がスッカラカンになる瞬間 ってありますよね。 そんな日常に疲れた時、何が必要になるか。 僕は読書だと思うんです。 いや、読書って言うと「堅そう…」 って思われるかもしれま