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栄冠は君に輝く〜プロレスリングノアの稲村愛輝



11.22横浜大会に向け起承転結の中で「起点」となった10.28後楽園ホール大会。様々な動きがありましたが、その中でも私が最も興奮したのが愛輝の金剛離脱→清宮との共闘です。

稲村はノア期待のヘビー級若手選手です。182cm、115kgの体格を活かしたパワーファイトが持ち味。特に雄叫びを上げてのぶちかましは迫力満点です。デビューが2018年ですので、まだデビューから2年。しかし拳王率いる金剛の一員として、ノア内ではGHCタッグ王座への挑戦やN-1参戦。さらには藤田和之とのシングルマッチまで経験しました。また今年は大日本の一騎当千にも参加するなど、デビュー2年とは思えない「濃い」経験を積んでいます。

稲村は金剛のオリジナルメンバーであり、拳王そしてマサ北宮とは固い絆で結ばれていました。その稲村が金剛から離脱。さらには拳王と敵対している清宮と手を組むという展開。これは中々興味深いですね。

確かに稲村は様々な経験を摘んで成長しています。しかし直近の先輩(年下の先輩)の清宮は稲村と同じ年次でGHCヘビーに挑戦しています。そしてそこからノアの中心へと突き進みました。そうした光景を見ていた稲村とすれば「このままでは駄目だ」「もっと成長しないといけない」と感じてもおかしくはありません。そして金剛で成長したからこそ、もっと自分の力を試したい。それこそ拳王やマサ北宮とぶつかりたいという感情もあるかもしれません。

プロレスではユニットから離脱するときに「裏切り」という要素も発生します。しかしこの日の稲村からは裏切りという雰囲気が感じられませんでした。リーダーの拳王に深々と頭を下げてのユニット離脱。これはいわば卒業とも言えるでしょう。実際に試合後のインタビューでも金剛への感謝を述べていました。そして拳王もまた稲村を罵倒することもありません。

稲村は金剛から卒業し、拳王やマサ北宮の対角に立つことになりました。当然対戦することも増えるでしょう。しかしたとえ相まみえることになっても、彼らの間には目に見えない「信念」という絆が繋がっているのかもしれませんね。

金剛の稲村ではなくノアの稲村として栄冠を掴むために。稲村愛輝は新しい一歩を踏みはじめました。その瞬間に生で立会うことができたのは本当に幸運でした!

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