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9.23三冠戦 青柳優馬VS本田竜輝〜人生の岐路で見せた強さと輝き

賽を振る時は訪れ人生の岐路に佇む
今いる自分を支えてくれた人この歌が聴こえてるだろうか?
祈るような毎日の中でもっと強く生きてゆけと
少しだけ弱気な自分を励ますもう戻れぬあの日の空
人の優しさに触れた時なぜか想い出す事がある
初めて独り歩き出した幼い僕を見つめるその愛

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さて。三冠戦の深みを増すことでおなじみの全日本プロレスの煽りVですが。この試合はBGMにGLAYのpure soulを採用していました。この曲の歌詞の中で本田竜輝に当てはまりそうな箇所があったので、冒頭に引用しました。本田はこの日の三冠戦を前に所属していたユニットGUNGNIR OF ANARCHYから卒業をしていました。かつての仲間と離れ、人生の岐路に立ち。安齊勇馬という新たな仲間を得て。しかし三冠戦は独りの個人として戦う。本田のそんな状況にマッチしていた素晴らしい選曲だと思いました。

その本田が新たなステージに上がるために。まさにこの日は高い壁としそびえ立ったのが三冠王者青柳優馬です。これまで3度の防衛を果たした弱冠27歳のチャンピオンは9年のキャリアで積み重ねたモノを開花させ。強く上手い選手となりました。

試合序盤は場外乱闘を用いてお互いにリズムをつかもうとする両者。打撃で直線的に攻める本田ですが、2度目の場外戦では青柳が鉄柵付近にいる本田にギロチンドロップを落とす。更には本田のムーブ(ロープ際で反則カウントを煽る)を真似るなど。本田の世界にさせぬよう青柳は試合を制御させます。

そこを変えようと試みる本田はブレーンバスターやラリアットといったパワーを活かした技で反撃します。トップロープに腰をかけた青柳を場外へ転落させるなど。勢いに乗って攻め続けます。

しかし続くエプロンでの攻防は青柳に軍配が上がります。エプロンで本田を捕獲した青柳はロックスターバスターの形で本田を担ぎ上げ。そのままエプロンへ。本田はモロに背面を打ち、大きなダメージを受けました。ここまで出さなかった技を出したことで、青柳が戦前から発していた「公開処刑」が現実味を帯びてきました。

ダメージの残る本田を攻める青柳ですが、ここから両者の攻防は更にギアが上がります。青柳のボディアタックをナガタロックⅡで本田が捕獲すれば。ジャーマンで投げる青柳。しかし即座にスピアーで反撃。会場は大きな本田コールに包まれます。

観客の歓声がどよめきに変わったのは終盤です。青柳が雪崩式ロックスターバスターから必殺のザ・フールを完璧に放ち。勝負あったかと思われた中で肩を上げる本田。三冠王者奪取後に青柳からザ・フールを受けて初めて跳ね返したのが本田でした。グロッキー状態の本田は青柳のエルボーを受けることで蘇生するかの如く、打撃を受けて前に進み続けます。蘇った本田はスピードのあるラリアット。さらにはエクスプロイダー。そして青柳を今年2度沈めた必殺のファイナルベントを炸裂。

ベルト移動か!最年少三冠王者誕生か!いやいやいやいや。青柳は強いです。完璧のファイナルベントをカウント2.99で返しました。リング中央でラリアットとスピンキックを繰り出す両者。流れを掴んだのは青柳のスピンキックでした。これでダウンを奪うとロックスターバスターからのザ・フールに繋げて。青柳はまさに執念で本田を沈めました。

この試合は両者がフィニッシュホールドを打ち合っても終わらないという体を張り合った。技を受け合った激しいものでした。それでも勝利したのは青柳。本田の全てを引き出し、そして跳ね返す。全日本プロレスの三冠王者としてまさにファンが理想とする姿で。青柳はV4を果たしました。

その安定感抜群の王者の前についに。ついに。全日本プロレスのスーパーエースが現れました。スーツを着用し正装で現れたのは王者青柳への最大限のリスペクトがゆえか。「どうやら宮原健斗には世代交代は通用しないようだ」。絶対的な自信からこの言葉を発する宮原健斗。彼は壁ではなく山。まさに「山が動いた」と言いたくなるようなシーンでした。

王者とエース。どちらが強いのか?どちらがより輝いているのか?全日本プロレスファンであれば誰もが考える。そして結末が見たいようで見たくない。そんな最高のカードが10.21後楽園ホール大会で電撃決定しました。

10.21後楽園ホールでどんな結末が訪れるのか?会場や全日本プロレスTVで多くの人に。たくさんの人に見届けてもらいたいです!




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