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憧れのキャンプ飯気分①

家族で本格的なキャンプをしたことがない。子どもが4人もいれば、しょっちゅうアウトドアで遊んでいるイメージがありそうなものだが、次々生まれて、いつかいつかと思っているうちに、大多数が思春期にさしかかってしまった。強いて言えば、バーベキュースペース付きのトレーラーハウスに1回泊まったくらい。

遡ると、父の仕事が多忙で、子ども時代もキャンプができなかった。幼い頃はお出かけと言えば、日帰りで八幡平や十和田湖にドライブに連れて行ってもらった。父はくねくね道路を少々荒い運転で軽快に飛ばすので、後部座席の私たちは景色を楽しむより車酔いに苦しんでいた。今思えば、車窓には贅沢な国立公園の景色が広がっていたのに、どこまでも続く大自然の醍醐味や価値を当たり前に、そして飽き飽きと感じていたあの頃。でも雄大な自然の景色はちゃんと覚えていて、今も懐かしく瞼に浮かぶ。

秋田の両親はコロナで自粛生活をし、県境をまたがないように気を使いながら、週末は変わらずドライブに出掛けている。おにぎりを握って、大自然の中でのんびり過ごす2人。記憶の中の景色とオーバーラップして、微笑ましい。

「キャンプに行こう!」パパさんが昨年の緊急事態宣言頃からネットでキャンプ用品を少しずつ集め始めた。世間は空前のキャンプブーム。おうちキャンプ、ベランピング等の言葉も生まれた。「ゆるキャン」と言う漫画も人気だ。

憧れのキャンプ、憧れの火起こし、憧れの飯ごうでご飯!憧れだらけでニヤニヤが止まらない。今自分に何かあったら、仏前に飯ごうごとお供えして欲しいくらいだ。

先日とうとう6人分の大型テントまで買った。愛犬ファルコン用のイスまで用意してあるパパさん。あとは世界が元に戻れば夢が叶う。

近頃、予習するかのように「ヒロシのぼっちキャンプ」を夫婦で必ず観ている。自然の中で寝食をするだけで、なんて清々しそうなんだろう。やはり、原始ニンゲンは猿だったからか。原点に戻る行為は失われた何かを修復するのだろう。子どもも外で土遊びや木登りをすると情緒が落ち着くらしい。オトナも修復されたい。

まだ我慢を強いられる生活の中、気分だけでもアウトドアを味わおうと、ステンレス皿を使う頻度が増えた。今日のランチはナポリタン。



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