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説明力~伝えようとする力~

私は英語は得意ではないが、なぜか数か国住んでいたことがある。
(英語圏、非英語圏、ヨーロッパ、アジアなど)
英語はできなくても、少しだけではあるが「外国の人に自分の意思を伝えようとする心意気」は他の人よりちょっとだけ高いような気がする。

普段日本で過ごしてきて感じるのは、なんとなくではあるが自分の伝え方を棚に上げて相手の理解力を責めている傾向にあるんじゃないかということ。
なんとなく、なので具体的なデータはない。あくまでも個人の感想にすぎない。

何故そう思うのかというと、例えば「空気を読む」がまさにそれ。
ちなみに海外だって空気を読む必要のあるシチュエーションはたくさんあるのだけど、日本だと「暗黙の了解」とか「背中で語る」ことがいまだに多いのかなと思っている。
問題があったとき、「どうしたんだ!」とわざとらしくコンタクトをとる人間より、黙って問題解決する技術者の方が素晴らしく見える、とかね。

こうなる理由は単純に島国で、基本的には昔からいるアジア人(北海道・沖縄を引き合いに出すとややこしくなるので、今回は本州メインで語らせてください。ちなみに私は北海道にも住んでいたことがあります。)ばかりで、だから価値観が似たり寄ったりだからだと思う。
さらに「みんな同じ」の思考が根深く残っているならなおさら。
日本人は空気が読めるんじゃなくて、単純に思考回路が一緒だから、自分の思っていることが相手も同じである確率が高いだけなのではないだろうか。

でも、そろそろこの考えは脱却した方が良いと思う。
相手の理解力を責める前に、今一度自分の説明力を振り返った方が良い。
もちろん私も得意なわけではないけれど、なるべく相手が分かりやすいように仕事では説明しようと心掛けている。

例えば、上司など伝える側が「おいしいステーキが食べたい」と言ったとしよう。
この手の上司はこう言う。「分からなければ聞いてくれ」と。
もちろん部下は、色々聞くだろう。国産か外国産か、好きな部位は、場所はetc…
さて、いよいよステーキを食べに行ったとき、こう言われたら?

「…え、ステーキと言ったら豚肉だろう!?当たり前だろうが!」

確かに言われてみれば「ステーキ」と言っても、チキンステーキやポークステーキがあるだろう。でも、中には当たり前のように「ステーキと言ったら牛肉」と思った人もいるのでは?思い込んでいたら、事前に聞くこともない。

こういった思い込みトラブルというのは会社でもよくあること。だがしかし、「こいつ何も分かっていない」と一方的に部下を責めることもできないのではないか。
伝える側というのは頭にその道筋ができている。この上司の場合、「ステーキと言ったらポークステーキ」だったわけだ。でも実際伝えられた側は「チキン、ビーフ、はたまたマグロステーキ」色々な選択肢がある。

無理に海外に目を向ける必要はないが、本当に受け取り方は人それぞれ。
「話にならない」「分かってない」と相手を責める前に、今一度自分の伝え方を見直してみよう。

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