コマースメディア新時代を切り開く―2024年の業界トレンドを展望

当記事は2024年4月2日に配信したプレスリリースを転載したものです

コマースメディアの状況は着実に進化しており、2024年には3つの重要なトレンドがビジネスの進め方を塗り替えようとしています。あらゆる企業が、顧客ベースで、購読者、サイト訪問者から取得するファーストパーティデータと、機械学習などの先進技術を使用して、広告体験を最適化しようとしています。さらに、より多くの企業がコマースメディアを内製化し、コネクテッドTV（CTV）を通じたフルファネル・マーケティングの機会に目を向けています。このダイナミックな状況下、リテール業者とオンラインマーケットプレイスの未来は、革新的な戦略と柔軟な適応力にかかっています。

トレンドその1：ファーストパーティデータと機械学習により、広告はオーガニックコンテンツと同等の関連性を持つようになる

2024年、コマースメディアのトレンドの中心は、ファーストパーティーデータと機械学習の融合により、広告コンテンツがオーガニックコンテンツに匹敵するほどの関連性を持つようになる点です。すなわち、スーパーパーソナライズド広告時代にあるといえます。この進展により、セラーとブランドが消費者との関わり方において重要な変化をもたらし、このパーソナライゼーションの革命を促進します。

オーガニックコンテンツが高度な技術を活用して、その人気度合いが変動の激しいコンテキストとユーザーとの関連性に基づいて決まるのと同様に、広告コンテンツも同様の関連性を求められるようになりました。しかし、広告コンテンツでは、機械学習が関連性だけでなく、価格設定、入札、予算編成、予測などと密接に統合された、さらなる複雑さが要求されます。

マーケットプレイスやリテール業者は、消費者一人ひとりの行動や購買履歴を深く理解した上で、きめ細かく動的なスポンサーコンテンツやおすすめ商品、広告を提供するようになるでしょう。その結果、マーケティングメッセージが強化され、視聴者との真のつながりと関連性が感じられるようになります。

2024年、パーソナライズされたターゲット広告は単なる戦略ではなく、ブランド、セラー、消費者の間のダイナミックで進化する対話となるでしょう。各インタラクションは、個人レベルで共感を呼ぶよう細心の注意が払われ、リテール業者やマーケットプレイスがどのようにオーディエンスを引きつけ、魅了するかに、大きな影響を与えることになります。

トレンドその2：自社コマースメディアの台頭がリテール業界をリード

2024年のコマースメディアをめぐるもう1つの注目すべきトレンドは、リテール業者が広告ビジネスの主導権を取り戻す方向にシフトしていることです。

コマースメディアの複雑さと広告事業を速やかに立ち上げなけれいことに対応するため、多くのリテール業者は当初、広告業務、サプライヤーとの関係、技術をサードパーティベンダーに外部委託しました。 外部委託は、広告ビジネスを立ち上げるためには便利な方法でしたが、これにより、リテール業者・サプライヤー間の運営モデルを破壊し、マーケティング、マーチャンダイジング、メディアに関わるリテール業者のチームが広告主やCPG側の取引チーム、ブランドとどのように連携できるのかという疑問が生まれました。

2024年に近づくにつれ、リテール企業はコマースメディア機能の主導権を取り戻しつつあります。KrogerやHome Depotのような業界大手はこの動きの最前線に立ち、広告営業、オペレーション、技術を社内に導入しています。これらの企業は、サプライヤーとの協力関係を構築することの重要性を認識しており、これはリテール企業が貴重なデータとオーディエンスを有効活用するための極めて重要な動きであることを示しています。社内の能力と、コマースメディアテクニカルプロバイダーとの戦略的パートナーシップのバランスを取ることは、この変化し続ける状況の中で、リテール企業が成功を収めるために欠かせません。

トレンド3：リテール企業はコネクテッドTV（CTV）のチャンスと課題の波に乗る

2024年のコマースメディアをめぐる第3の注目トレンドは、コネクテッドTV（CTV）の台頭です。CTVの広告在庫が急増する中、リテール業者やマーケットプレイスは、フルファネル広告を採用し、従来のテレビ視聴体験とデジタル広告のデータ主導型機能を融合させることで、広告へのアプローチ方法を大きく変えようとしています。これにより、リテール企業やマーケットプレイスは、コマースメディアの新たな時代を迎えることになります。

リテール企業にとって、CTVメディアの重要なポイントは、パフォーマンスに焦点を当てたフルファネル差別化です。リテールメディアの広告主は、測定可能な成果と、ファネル全体にわたる具体的な投資収益率（ROI）を求めています。広範なCTV在庫を活用することで、リテール企業はトップファネルのコンテンツに広告掲載し、自社独自のデータを活用して視聴者をターゲットすることを可能にすると同時に、セールスファネル全体でパフォーマンスと成果を上げることができます。これにより、リテールメディアプラットフォームはCTV戦略を微調整し、広告クリエイティブとターゲティングパラメータを最適化し、リアルタイムのデータ分析に基づいて掲載を決定することができます。

CTVがコマースメディアの注目を浴びる中、そのデータ主導型のターゲティングは、リテール業者やマーケットプレイスに対し、特定の視聴者とより効果的に繋げるための強力なツールを提供しています。機械学習アルゴリズムとプログラマティックCTVバイイングの統合により、視聴者が最適なタイミングで広告に接する、高度にターゲット化された広告の機会が開かれています。

2024年のコマースメディア

2024年のコマースメディアは、ダイナミックな変化と技術の進歩によって特徴づけられます。リテール企業やマーケットプレイスが成功するためには、機械学習を活用した広告の最適化とターゲティング、自社メディア機能の構築、そして進化するCTV領域対応が不可欠です。成功企業は、この新たなリテールメディアの時代に適応し、戦略的な協力関係を築きながら、よりパーソナライズされた顧客体験技術を積極的に活用することで、成功への道を切り拓くことでしょう。

■Molocoについて
Moloco, Inc.（本社：米カリフォルニア州レッドウッドシティ、共同創業者・CEO：Ikkjin Ahn、日本事業責任者：坂本達夫）は、あらゆる規模の企業に先進的な機械学習を提供することで、より公平で、高収益なデジタル経済の実現を目指しています。

成長と成果を約束するMolocoの機械学習プラットフォームを通じ、アプリパブリッシャーやオンラインショップ事業者は、自社が有する1st Party データの価値を引き出せるようになります。

アプリパブリッシャーは、モバイルアプリのパフォーマンスマーケティングに特化したプログラマティック広告プラットフォーム「Moloco Cloud DSP」を通じて短期間でユーザーを獲得し、予測モデルによってLTVを向上できます。 オンラインショップ事業者は、「Moloco Retail Media Platform」を通じ、自社サービス内に独自のパフォーマンス広告ビジネスを確立できます。

Molocoは2013年、元Googleの機械学習エンジニアによって設立されました。本社を構える米国レッドウッドシティに加え、米国各拠点、英国、韓国、中国、シンガポール、そして日本など世界各地で展開しています。

詳細は https://www.moloco.com/ja/ をご覧ください。