立て続けの悪夢と人間リサイクル


今日は一日のんべんだらりと寝ては起きを繰り返していた。嫌な夢をいくつか見てしまい、起きてから真っ先に犬を見にいった。

犬も悪夢を見るんだろうか。いつもお腹を出してだらしなく寝ている彼らは幸福を体現してるようで、落ち着く。猫吸いという言葉があるけど、犬吸いもいい、落ち着く。


昨日、友人というよりも同期と言ったほうがしっくりくる関係性のふたりと鍋を食べた。モツ鍋。
それなりに美味しく、それなりに楽しかったものの、なんだかつまらなかった。

友人と食べる鍋って、楽しいよりも、なんかめんどくさい、が勝つ。けして彼らが面倒くさいのではなく、友人と食べる鍋というものが面倒くさい気がする。
なんかな、ナンセンスだよな、外で食べる鍋って。


わたしが社会人になればまた変わるのだろうかと思いながら、共通項が失われつつある大学の同期たちと毒にも薬にもならない会話をし、遅かれ早かれ会わなくなるんだろうなと思いながら、モツを食べ、質の悪そうなレモンサワーを飲んだ。


その日一番盛り上がった議題は、人間が今後建材や家具としてリサイクルされたりするようになるか。
こないだ読んだ村田沙耶香の影響をもろに受けた題材だったけど、自分の私生活の話をするよりも、ふたりともよく喋っていた。

この世に絶対はないし、常識も変わってゆくので、わたしはあると思う、人間リサイクル。
たぶん初めは、刑務所の死人から。


もしかしたらこの壁も人の骨とか肉とか練り込まれてるのかもしれないよね、とかあほみたいなことを話しながら、そう考えると変な迫力を勝手に感じてしまって、三人揃ってしばらく店内の土壁を見つめていた。


食べ終わってから友人のバーに行った。

知り合いと話していれば時給が発生するなんてずるいなーと思いつつ、興味のない知り合いが来たらそれはそれで苦痛だろうから、一長一短だろうけど。


なんかよくわかんない酒を出してもらって、これまた印象に残らない話ばかりした。

というか、わたしがバーに来たかったのはこないだ忘れてしまったイヤホンを貰いたかったからで、複数人でいるよりも一対一で話してるほうが楽しいんだよなこいつとは。
と思いながら、たいして吸いたくもない煙草を暇つぶしにスパスパ吸ってしまった。吸いすぎ。反省。

話の途中で、友人が少し前から一人暮らしをしていることが発覚し、なにそれ聞いてない、と軽くショックを受けてしまった。
べつにわたしがショックを受ける必要はないんだけれど。愚か。

最近友人に対して求めすぎだ。
そこまで求めるのは友人が異性同性とか関係なく、せめて恋人ぐらいであるべき。
自分の愚かさと醜悪さに嫌気がさしながら、なんでそこまで仲の良くない子が知っていて、なんで一週間前に会っていたわたしは知らないんだろうとかいう思考が脳内のリビングルームあたりをうろついていて、
友人のバツの悪そうな感じに、早く帰りたくて仕方なかった。
まあ結局終電までいたんですけど。


帰ってからLINEが届いていて、その内容にまた自分に嫌気がさした。
謝る必要性のない人間からの謝罪は、逆に自分を惨めにさせる。

そのテンションで寝たら、うだうだと嫌な夢をオンパレードで見てしまった。
自分のわかりやすさはすごいな。


バイト先のうだるような暑さに、げんなりする。
ただでさえ顔に出やすいらしいのに、今日はさらに顔に出てしまいそう。
低いヒールなのに痛くて、早くも限界値が近い。
明日は犬と散歩して本を読む、決めた。






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