日記

今日は、バスに乗っていると

隣におばちゃんが座ってくる。

ロング三つ編みおさげのおばちゃんだ。

「編みちゃん」と呼ぶことにしよう。

編みちゃんが隣にやって来てから
3つほどバス停を過ぎたところで

「あの」

と声をかけられる。

「『隣町』って止まりますよね」

『隣町』は、私が降りるひとつ手前のバス停だった気がする。

「止まると思いますよ」

すると

「私もそう思ってました」

と編みちゃん。

そう思ってたのか。

編みちゃんは

「『隣町』はね、私の住んでる町からすると、
隣の隣の町で、いつも分からなくなっちゃうんです。
その次の『隣々町(となりどなりまち)』は、私の住んでる町で、
それから、その2つ手前の『この町』は、私が去年まで住んでた町で、
それから、その3つ次の『ハイパータウン前』は、私が今住んでるタウンの隣のタウンで、
これは『前』って入ってるのに『今』住んでるタウンだから難しい、
それから、それから4つ次の『岩山公園』は、私の1番好きな公園の最寄りの次の公園で

その辺がいつも分からなくなっちゃうんです。」

三つ編みを振り乱しながらまくし立てる編みちゃん。

「1回その辺いろいろ整理しようと思ってるんですけど、一緒に整理しません?」

と誘われる。

特に断る理由もなかったので、一緒に整理することに。

ちょうどipadとApple pencilを持っていたので、

編みちゃんの説明を私が図にしていくことになった。

編みちゃんにひとつひとつ聞きながら

バス停や町の境界線やらの位置関係を
細かいところまで書き込んでいく。

図は結構な密度になった。

特に『隣町』から『澤田前』までの区間がすごかった。

編みちゃんの好きな公園が8個あったのと、町の境目も入り組んでいたからだ。


『隣町』到着直前で図が完成する。

間に合ってよかった。

図をスクショして編みちゃんにエアドロする。

「待ち受けにします」

と喜んでくれた。よかった。


編みちゃんと別れて、しばらく走っていると

急に気持ち悪くなってくる。

気持ち悪いというのは、ゲロが込み上げてくると言う意味だ。

書いている時は夢中だったが、

かなり細かい作業だったのでさすがに酔ってしまったようだ。

しんどかったが、結局家まで我慢した。

家で5分吐いた。


せっかくなので編みちゃんと作り上げた図だけ載せておくことにする。

かなり細部まで書き込んだ。

図で言うと、「右上」が編みちゃん家だ。

編みちゃんは

「左上から右に行った方、って覚えときます!」

と言っていた。

たしかに。

編みちゃん家ら辺





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