日記

今日は、友だちの茶子ちゃんに連れられて
インドカレーパーティーへ。

年1で開催されるイベントで、
茶子ちゃんは2年ぶり8度目の参加とのこと。

インドカレーフリークの茶子ちゃん的には

「神イベント」

らしく、今回私は初めて連れて行ってもらう。

エントランスで、QRコードチケットを見せ、

ナンを1枚受け取る。

ナンを手に、会場内に出店された

色々なブランドのインドカレーを試食できるのだ。

茶子ちゃんは2枚もらっていた。

なんで2枚なのか聞くと、

「先行予約者の中の抽選で、当選したのよ」

と嬉しそうに言っていた。

私は当日予約だったので、1枚だ。仕方ない。


ナンを手に会場に入ると、さっそく

スーツ姿にターバン頭の店員がそれぞれのブースで待機している。

だいたいインド現地の方という感じだ。

茶子ちゃんに、なんでみんなスーツ姿にターバン頭なのかと聞くと

「ドレスコードだからよ」

とのこと。

やっぱり茶子ちゃんはこのイベントに関していろいろ知っていて、頼もしい。

茶子ちゃんは、両手に持ったナンをはためかせながら

「私について来てよ」

とリードしてくれる。

まず向かったのは、会場中心の

『マハルタージ』

という店舗だ。

「テイスティン?」

と言う店員に対して

「もちろんテイスティンよ」

と茶子ちゃん。

店員のターバンには、油性ペンで『ビリヤニ』と書いてあった。ビリヤニというお名前だろうか。

ビリヤニは、カレーのひたひたに入った壺を差し出してくる。

とてもいい匂いだ。

茶子ちゃんは、右手のナンをちぎって壺のカレーにひたす。

ちぎるときに、左手のナンを

「一瞬持っててよ」

と持たされた。全然良いけど。

私もひときれちぎって、カレーをひたしていただく。

とても美味しかった。

「おいしいね」

と言うと、茶子ちゃんも

「おいしいわよ」

と満足げにしている。

ビリヤニは

「わかる、おいしいよね」

と共感してくれる。

『マハルタージ』では持ち帰り用のカレーの販売もあったが、

とりあえず会場を一周してから考えること。

茶子ちゃんに連れられて、その後全てのブースを制覇する。

私も茶子ちゃんもちょうどナンを1枚食べ終わり、とっても満足だ。

しかし、茶子ちゃんの手にはナンがもう1枚。

茶子ちゃんは

「持ち帰るわ」

と、バッグにナンを裸でしまおうとする。

裸でしまうのは、と思ったので、私は

「ビニール袋とかないの?」

と尋ねると

「ないのよ」

とのこと。

受付で貰えたりするのでは?と提案したところ

「去年も同じことしたけど、もらえなかったのよ」

とのことだった。

仕方がないので

茶子ちゃんは、肩から提げていたミニバッグに

ナンをぎゅうぎゅうにたたんで押し込む。

もともとバッグに入っていた財布と携帯を上着のポッケに入れてスペースを作ったのだ。

スペースを作ったものの、
さすがにナン1枚分は入らなかったので、
3分の1をちぎって財布と一緒に上着のポケットに入れる。

残りの3分の2は、ぎりぎりバッグに収まった。

私が

「すごいね」

と言うと、茶子ちゃんは

「すごいわよ」

と言った。

帰り道、ホームで電車を待っていると
茶子ちゃんのバッグからナンの良い香りがする。

「まだ良い香りがするね」

と言うと、茶子ちゃんは

「もう冷たくなっているわよ」

と言う。

電車が来る。

列を詰めようと一歩踏み出すと、歩き出した振動で茶子ちゃんのミニバッグから

バイーン

と3分の2のナンが飛び出し落下する。

茶子ちゃんは

「あっ」

と落としたナンを拾おうとする。

すると、上着のポッケから3分の1のナンが

バイーン

とまた飛び出し、落下する。

電車のドアが開く。

茶子ちゃんはかがんだまま私に

「乗ってていいわよ。私は次のに乗るわよ。」

と言う。

私は、なんとなく

「わかった」

と乗る。

茶子ちゃんには、明日どんな言葉をかけたら良いのだろうか。

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