【フランス/シャンパーニュ】特別な日をもっと特別な日にする魔法の液体シャンパンの美味しさは熟練の芸術的な調合技術で成り立っている
日本人の祝いモノの代表選手だったお赤飯と鯛のおかしらをごぼう抜きにして、いっきに「めでたい日にいただくもの」のトップランナーに躍り出たシャンパン。
景気よく弾け飛ぶコルクと、シュワシュワ~っとこぼれ出る液体で、掛け声とともに積まれたグラスを黄金色に染める液体=シャンパン
雰囲気の良いレストランで、淡い恋心と共にトキメキ相手の誰かと乾杯するシュワシュワしたまばゆい液体=シャンパン
というイメージがあるかもしれませんが(ないか。)、シュワシュワしているオシャレな飲み物は全て「シャンパン」というのは間違いです。(バブリーでスペシャルな時にいただく飲み物=シャンパン、というのはあながち間違いではないかも)
堂々と「シャンパン」と呼んでよろしいのは、フランスはシャンパーニュ地方で色々な条件をクリアして造られた一部のものだけなのでございます。
嗚呼、シャンパン様〜
※ちなみに、シュワシュワしたワインの総称は「スパークリングワイン」です、のでこう呼んでおけばまず間違いありません。
フランスのシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインを「シャンパン」と呼ぶ、ということです。
他にはイタリアで有名なものに、プロセッコ。
スペインではカヴァ。
ドイツではゼクトと呼ばれるシュワシュワ一族の各国部隊が存在します。
シャンパーニュのシャンパン
シャンパーニュ地方はパリから東に約140kmの距離にあって、パリから少し足を伸ばせば遊びにいける距離です。
ここ。
ブドウの栽培地としては北限にあたる涼しい所。
ここシャンパーニュ地方は、歴代フランス国王の戴冠式が行われる世界遺産のランスのノートルダム大聖堂が有名。
そんな歴史的背景もシャンパンに "お祝いのお酒" 、"ラグジュアリーなイメージ" を与え、『特別な日に飲むシュワシュワ』というポジションを確立させた一因です。
このシャンパン。
ボージョレやボルドーのように、今年のシャンパンは美味しいね、とか今年はちょっと酸味が強いね、のような、その年の傾向ってあまり聞かないと思いませんか?
なぜならシャンパンの多くは、実はその年に造られたワインだけでなく、過去の取り置きワインを混ぜることで造られているからなんです。
お祝い事に選ばれることの多いシャンパン。
とっておきの時に、とっておきのメゾンのシャンパンを!と思って期待を込めて選んだのに、
今年はちょっと不作だったからいまいちだったんだけど、ごめんねー
な年のシャンパンに当たっちゃうと、ちょっと残念な気持ちになっちゃいますよね。
そんなことがないように、品質・スタイルの安定化を目的に多くのシャンパンは過去の取り置きワイン達を調合しながら造られています。
とはいえ完全に毎年同じ味を目指す、というのともどうやら違うようで、
伝統の継承
×
調合するプロのシャンパンに対するビジョン・個性
×
熟成された後にどんな味わいへと発展していくかという創造性
それらの複雑な掛け合わせで混ぜ混ぜされているのです。すごい。これぞ芸術。。。
次にシャンパンを飲むことがあれば、そんな背景に思いを馳せながら香りと味わいを堪能してみてください。
その味わいには、シャンパーニュメゾンのアーティストたちの五感を駆使した芸術が詰まっているんですね、素敵だなぁ。
※ちなみにシャンパンにも収穫年が記載されたミレジメと呼ばれるものもあります。優良年や特徴的な年に造られ、瓶詰めから36ヶ月は熟成のため出荷不可の、特別なシャンパンの中でも更に『特別なシャンパン』
私がこれまでに飲んだシャンパンの中で、一番美味しかったなぁ、と思い出深いのは、あるとっておきの記念日に飲んだ、このシャンパン
Champagne JB Delalande Brut NV
あるレストランがオリジナルで造っているシャンパン。
有名じゃないかもしれない。
だけど、その特別な一日を締めくくるディナーで飲んだこのシャンパンは今までに飲んだどのシャンパンよりも、口に含んだ最初の瞬間にうわぁぁっとイメージの広がりを感じて感動が大きかった。。
シャンパンの持つ、特別な日をもっと特別な日にする魔法のチカラを感じたのでした。
ありがとう、シャンパーニュの芸術的な魔術師たち…
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