- 運営しているクリエイター
2019年9月の記事一覧
はっきり言わない君が好きだった
蚊取り線香に息を吹きかけるのが好きだった。
目が覚めたように速度を増して燃え尽きていく様子を見るのが好きだった。
その頃、目玉はビー玉だった。透き通った宇宙のようなビー玉だった。
今ではすっかりすりガラス。
蚊取り線香の燃え殻。
渦巻き崩す寸前、悪あがき。
さらさらぽとっ。すっかり灰色燃えカスが、ふわふわと冷たかった。
あの頃、蚊取り線香からのぼった煙。静かに名残惜しそうに。もっといればいい
蚊取り線香に息を吹きかけるのが好きだった。
目が覚めたように速度を増して燃え尽きていく様子を見るのが好きだった。
その頃、目玉はビー玉だった。透き通った宇宙のようなビー玉だった。
今ではすっかりすりガラス。
蚊取り線香の燃え殻。
渦巻き崩す寸前、悪あがき。
さらさらぽとっ。すっかり灰色燃えカスが、ふわふわと冷たかった。
あの頃、蚊取り線香からのぼった煙。静かに名残惜しそうに。もっといればいい