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きれいな人生

とにかく眠い。

ごきげんよう、もくれんです。

知らない人と知り合いになるのが好きである。そのルーツは何処にあるのか、あまり原体験は思い出せない。いつからこうだったかな?いっこ覚えてるのは、大学1年生のときにANNA SUIのバッグ持ってるかわいいクラスメイトがいて「私もANNA SUIすき!」と声をかけたことかな。私にとっては「私も好きなの!一緒だよ。仲良くなりたいな。」くらいの軽い気持ちだったのだが、大分経ってから、その子に「あの時、もくれんから声掛けたよね~」みたいな思い出話をされたとき「あ、もしかしたら人はそんなに気軽に人に声をかけないのかもしれない。」と思った。

知らない人は、私にとって情報の宝の山なので基本的に気になった人には声をかけたい。話を聞きたい。ビジネスの場の交流会などは苦手で日和る私だが、バーで隣で飲んでる人には話しかけられる。ただし、相手に興味ない場合は、もちろん話しかけないし話しかけられるのもNo thank youである。興味のない酔っぱらいに絡まれるのは一番萎える。声を掛ける基準を何で選別しているかというと、雰囲気だと思う。めんどくさそうな人には声掛けない。話したら楽しそうな、かつ下心でバーに来てない人が一番平和で楽しい。無職になってしばらく人と話してなかった頃、カレー屋さんのカウンターで隣のおにいさんにも声かけたな。会話に飢えすぎて。

そういうムーヴは暫くご無沙汰だったのだが、久しぶりに夜遅くまで休日でかけて「そういうことしたい!!!」と思ったので、立ち飲み屋さんに行った。何年かぶりくらいで行ったけどコロナ禍も乗り越えた美味しいお店である。相変わらず混んでいた。立ち飲み屋さんで日本酒を味わいながら隣のお兄さんに声をかけ、しばらくおしゃべりを楽しみ、そのお兄さんが推しているアーティストのライブをその場で予約し「感想送りたいんで、どれか教えても良いSNS教えて下さいよー」と言ってLINEを交換して、軽くハイタッチして帰った。

こういうの好きだな~と思って大いに満足した。偶然の出会いで関係性の糸を編んでいく醍醐味って「用意された場所で出会って始まる関係」よりワクワクする。あと相手への責任感があんまりなくて関係性が気楽でらくちん。

今までの人生を振り返っても

・クラブで会った宮大工とLINE交換し、3年後に神戸に会いに行く。
・バーの常連同士で、これまたバーの常連が出る演劇を見に行く。
・バーの常連同士(初対面)で意気投合し、別日に違う小料理屋で飲む。
・コーヒー屋さんのプレオープンで初対面のオジサマのバーのイベントに翌日伺い、DJの回す山下達郎で踊る。
・南青山の靴屋のオヤジに気に入られて、豆大福を御駄賃に仕事をちょっと手伝う。
・銀座和光前で、歯ブラシを胸ポケットにさした謎おじさんとおしゃべり。
・美術館で声をかけてきたインド人とそのままアイリッシュパブで飲んでゲロ。

などの偶然の出会いを、折り目正しく脳内アルバムにファイリングしている。覚えてる数っていうのは「とらわれ」や「こだわり」があるもんだ。時々ヤッた人数を数えている気持ち悪い人がいるが(私も過去数えていたことがある)、最早どうでもよくなってしまったので付き合った人数もヤった人数も曖昧である。数えようと思ったら頑張って数えられると思うけど。

偶然出会って話した人のほうがクリアに思い出せるな。
しかし、書き出してみると私はただのナンパ師だな。
声かけてるの男の人ばっかりだし。
私こそ下心あって声かけてるところある。その場で持ち帰りたいとかはさすがに思ってないけど「私に興味がなさそうな、下心がなさそうな人」に声をかけて楽しく会話するの好きなんだよな。女の人に声をかけない理由はなんなんだろな。声かけないこともないんだけど、連絡先交換しようとか思ってないもんな。その場で面白そうな話題があればちょっとノるくらいで満足しちゃう。女の人のほうが難しいし、女友達は新たに作りたいともあんまり思ってないし。女友達ができたとて、二人で他の場所に飲みに行くイメージは湧かない。男の人だったら「じゃぁ、今度気になる店一緒に行きましょうか。」となるのに。なんでしょうね、これは。女で一人で飲んでる人はある意味同類だから興味わかないのかもしれない。

ちなみに、この手の出会いを次に繋げるというのは当たり前だが金がかかる。神戸に行く旅費もかかるし、観劇代金もかかった。そんなわけで私は来週、昨日会った、名前も知らないお兄さんのおすすめアーティストのライブに行く予定である。チケットは1万円した。セレンディピティへの投資は、知らない世界へのドアを開ける鍵だ。人生を楽しむコツはサイコロを振ることかもしれない。その博打は当たらないかもしれないけど、どんな経験も未来に大化けする、負けない宝くじ。

偶然を必然に変えて奇跡の軌跡がシュプールを描いてる。きれいな人生。




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