ローカルコミュニティへの入口としての路上スナック。
こんにちは。かみいけ木賃文化ネットワーク代表の山本です。
池袋駅東口グリーン大通りを会場に都市をリビングのように心地よく過ごすストリートマーケット「IKEBUKURO LIVING LOOP」(5月4日(土)開催)の出店者として、そして、木賃文化月間2024年のトップバッターとなる企画として「路上スナック」を開催しました。
そう。2017年からスタートしたIKEBUKURO LIVING LOOP。
金融街だったグリーン大通りは、人が滞在する空間ではなかったところから、運営のみなさま、ボランティアスタッフのみなさん、出店者のみなさま、関係者のみなさまのおかげにより、どんどん盛り上がり、みんなが出店ししたくなる、行きたくなるマーケットとして成長していきました。
なぜスナックを池袋の路上で?
私も年に2回は出店していましたが、喫茶売店メリーとして台湾メニューを販売していました。
マーケット全体が、どんどん楽しくなっていくにつれて、弱小の私たちでさえ少しずつ売り上げが良くなっていきました。そうしているうちに、一方的に物を売っているような感情を抱きはじめ。もっとお客さんとお話ししたり、一緒に過ごしていると思えるような場が欲しいと思ったのです。
私たちよりも、忙しいお店はたくさんあります。そうなると余計に、買い物する一瞬でしか、お店の人とお客さんがゆったりお話しすることは難しいことでしょう。
このリビングループでは、「ネイバーフットコミュニティ」なる、豊島区や沿線界隈をつなげるコミュニティの中心、ハブのような役割を担っていこうというコンセプトもあったため、
>このマーケットを訪れた人々が出会い、会話し、笑顔が溢れ、そこで紡がれた関係を日常にも引き継がれていくような社交場が必要なのでは?
と、勝手に思ったわけです。
たまたま居合わせた人が、同じ場を共有し、世間話をして楽しむ社交場とは。そうだ、スナックだ!!!と思ったわけです。
カラオケはできないけれど、あの関係性を都市の路上に作り出そうと。
かつて池袋東口のグリーン大通りの裏には、戦後のヤミ市から続く横丁がいくつもあったそうな。
スナックのママどうする?
スナックならば、ママの存在はとても重要。
だけど、そんな大役を一人でできる知り合いもいないし、スナック経験も乏しく酒も飲めない私じゃ役不足。
そしたら、まちの個性豊かな仲間たちに、ママなってもらおう。居合わせたお客さん同士をつないでくれるはずだから、いろんな人が来やすいんじゃないだろうか、と思ったわけです。
【どんなシステム?】
ドリンクと、おつまみ付きの1000円だけで入店(着席)できて、追加ドリンク注文可能。わかりやすくて安心安全なスナックです。(強調)
【ローカルコミュニティへの入口としての路上スナック】
スナックは、全国各地どこでもある(が西の方が強い)みたいだし、地域というか、お店の常連さんたちの強いコミュニティがあります。
笑顔で迎えてくれることもあれば、新顔だから警戒されてしまったり。
ガラガラなのに今日は予約で満席なの。なんて言われちゃったりも。
だから、スナックの扉を開けて、ママとのやりとりだったり、お客さんがいるのかいないのか。どんな空気感なのか。
そのわからなさはいつもドキドキします。
扉を開けて、迎え入れてくれたならば、ローカルでディープな世界が広がっていて、ママや、マスター、常連さんと話し打ち解ければ、そのお店や、街への愛着も湧いてきます。
話は戻して、今回の路上スナック。
どぎつくオメカシしたママと、気心知れた人同士が話している様子は内輪感があり、はっきり言って、初めましての人は入りづらいことでしょう。
リビングループの楽しくて優しいオープンな空気感が、リアルなスナックの重厚な扉を開けるドキドキ感のようなハードルは多少軽減されました。
初めましての方や、知り合いに紹介されて来た人は、少し戸惑いつつも、いざテーブルにつけば気さくにママや、居合わせてたお客さんとの会話が弾んみ楽しんでくれているようでした。
【日常へ引き継がれるスナックでの関係性】
今回やって良かったと思えたのは、、、
①自分ごとのようにこの路上スナックを楽しんでくれた仲間がいたこと
衣装をわざわざ購入したり、和服をレンタルしたり、その場でメイクをしてもらったりなど、自分もみんなも楽しめるような、ふるまいをみんながしてくださった。私があたふたしている様子を見て、ウエイターとして手伝ってくださったこと。ママのキャスティングを快く引き受けてくださって、いろんな方に日程調整、相談をしてくださった方もいました。本当に感謝しかありません。
そういえば、山本は一度もママとして、カウンターの中に入ったことがないことに気づきました。次はテーブルの中に入りたいと思ったけど、みんなが楽しんでくれているならやらなくていいかなとも。
②リビングループを飛び出したつながりが生まれたこと。
私自身、全くはじめましての人や、顔は知ってるけどお話をしたことなかったという方とたくさんお話ができました。
また、若い女性2人が路上スナック版「逆スナック」に参加してくれた後、別日に開催されたストリートキオスクでの「逆スナック」に参加してくれたこと。*後日談で逆スナックの奈美ちゃんから教えていただきました。
路上スナックでお話ししたとある自治体職員の方が、私たちの拠点くすのき荘に訪ねてきてくださったこと。その他にもたくさんの出会いが生まれてくれたことも。
路上スナックで知り合ったママと、お客さん。私の仲間たちとの間で深まった関係性が、普段の暮らしに引き継がれて、顔見知りから、話せる仲になることで自分のまちへの愛着も湧きますし、暮らしが楽しくなることでしょう。
まとまりませんが、また、近い将来池袋の路上で会いましょう。
次回はあなたにママ・マスターをお願いするかもしれないよ。
=====個性あふれるママたちの紹介=====
【くすのき荘と愉快な仲間たち】
私たち、かみいけ木賃文化ネットワークが運営する上池袋のシェアリビング、シェアアトリエ「くすのき荘」の多様なメンバーと、そこに集う仲間たちが登場。
トップバッターにふさわしきメイクと衣装でお迎えしました。
マスターの応援も。
12:00〜14:00まで
*ママ紹介*
井上ヤスミチさん イラストレーター
早川佳歩さん 版画作家
じゃあまん ご近所に住むおもしろ会社員
藤田奈津子さん まちのおせっかい人
藤田正樹さん 自治体職員 *マスター役
安田恵輔さん まちの回遊魚 株式会社サンシャインティ社員 *マスター役
【リビングループキャストな皆さま】
IKEBUKURO LIVING LOOPを支えるキャスト(運営、ボランティアスタッフ)の皆さんが登場。
これまで作り上げてきた往年のレジェンドや、現役キャスト、新人キャストも。リビングループがどのように育ち、これからどこに向かうのか。ここでしか聞けない思い出話も?!
リビングループを作る人たちと共に憩いの場を。
14:00〜16:00まで
*ママ紹介*
ベテランキャスト:大沼さん、山田さん、堀越さん。
現役キャスト:川原吹さん、ももかちゃん、みきほちゃん、ゆきなちゃん(新人)。
IKEBUKURO LIVING LOOP総責任者:青木純
記録:えみりちゃん
16:00〜18:00まで
【おもしろ公務員集合!】
いい意味で、普通の公務員ではない。
本業では、仕事バリバリ。
困難な課題に果敢に挑戦し、未来を切り開くスーパー公務員。
役所から街にはみ出すおもしろ公務員の皆さん。
いや、はみ出しているのは本人たちが一番おもしろがってくれるに違いない!
でも、ママが足りない!おもしろ公務員なあなたもママになれます。
*ママ紹介*
安達 絵美子さん 豊島区役所勤務
安高 昌輝さん 草加市役所勤務
山田 大輔さん 国土交通省勤務 *飛び入り参加
中島 明さん としま会議 他 *おもしろ公務員ゲストママをキャスティング
【逆スナック】
逆スナックとは、お客さんがスナックマスター、ママのお悩みを聴くスナック。普通はお客さんが店主に「ちょっと聞いてよ~今日さ~」なんて言うのですが、その逆です。
店主が悩みを「お品書き」として提示し、気になるトピックをお客さんに選んでもらいます。誰かの悩みを聴きたいあなたをお待ちしております。
*マスター・ママ紹介*
伊東 裕さん 逆スナック マスター / Cleanup & Coffee Club / STUDIO201
丸腰 なみさん 逆スナック ママ/サンカクシャ/シーナと一平
18:00〜20:00まで
以上
【こぼれ話】
実は路上スナック。今回で2回目なんです。
写真は、第1回目の時のもの。広めのスペースを要望したら、ストリートファニチャーがある場所をあてがわれた。それなら、スナックのカウンターをファニチャーに合わせて作ってしまおう。
ということでスナックカウンターを自作することに。
【参考文献】
【スペシャルサンクス】
池袋駅西口「スナック村」おりんママ/リサーチ協力、割烹着のご提供。