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[BGA Studio] ライセンス許諾までの流れ

前回の記事で概要を述べました。この記事では、版元がBGAへライセンス許諾を行うためにするべきことについて説明していきます。
今年のお盆休みは外出しないから、記事の執筆がはかどりますね!

前回お話しした通り、情報は古くなる可能性があります。必ずBGA本家の情報をご確認ください。

BGAでプレーアブルにするメリットがあるか考える

BGAで様々なゲームを遊んだ方はわかると思いますが、各ゲームはオリジナルの遊びを再現するために、結構凝った作りになっています。それ自体はいいことなのですが、裏を返せば、制作に相応の時間がかかるということです。

もし、ボドゲサークルが自分達で移植するのであれば、新作を一個作るくらいの労力がかかると考えた方がいいですし、誰かにお願いするのであれば、相当な期間と、(仕事として依頼するのであれば)ボドゲ1作分並の費用がかかることを覚悟した方がいいです。有志のエンジニアが作ってくれるまで待つのであれば、さらに時間がかかるでしょう。

イラストリーの場合、ルールは簡単なゲームですが、開発環境に不慣れな状態から、土日にこつこつと作っていった結果、4カ月ほどでアルファテスト版が完成しました。フルタイム換算で1カ月程度の作業日数です。
中量級以上のボードゲームをBGAに移植する場合、2カ月以上の作業日数が必要になると思われます。

Board Game Geekへゲームを登録する

BGAへライセンス許諾するのにも、開発を実際に進めていくのにも、事前にBoard Game Geek(BGG)というボドゲ情報まとめサイトにボードゲームを登録しておく必要があります。

例:イラストリー
https://boardgamegeek.com/boardgame/308532/illustori

誰かが登録してくれていればいいのですが、普通はそうはならないでしょう。BGGのユーザ登録をした上で、英語で説明ページを作成します。
ちなみに、パブリッシャー、ゲームデザイナー、アーティストも登録する必要があると思います。

画像データを用意する

BGAの基本方針として、BGAで公開されるゲームはできる限り、本物のボードゲームの素材をそのまま使うということになっています。オリジナルのデータは版元が持っているはずなので、これをエンジニアに提供することになります。どうしてもそのまま使いたくない、使えない、という素材は、加工して提供しましょう。

また、ボードゲーム本体とは別に、以下のような素材も必要になります。(詳細はBGA Studio Wiki)

・パッケージ写真 (280x280px, 180x180px, 75x75px)
・バナー (1386x400px)
・ゲームアイコン (50x50px)
・版元アイコン (横幅150px)

ライセンス形態を決める

版元向けのBGAのプレゼン資料があります。まずは、こちらを読んでいただくのがいいです。

BGAにとっては、どのボードゲームも誰かが版権を持つゲームであるため、版元からライセンスを付与される必要があります。ライセンス形態は今のところ、誰でも遊べるフリーゲームか、プレミアム会員のみが選べるプレミアムゲームのどちらかです。

フリーゲームとして公開するメリットは、そのボードゲームを遊んだことがない人にも知ってもらい、遊んでもらって興味を持ってもらえる機会を得ることができるということです。

プレミアムゲームの場合は、プレミアム会員に遊んでもらうことで、従量課金による売り上げが発生します。売り上げをどう割り振るかは、BGAと交渉して決める必要があります。

BGA運営にメールを送る

どういうライセンス形態で行くのかが決まったら、BGAの運営にメールを送ります。

フリーゲームの場合は、先ほどのページに必要事項を記入すると定型文のメール文書が出来上がるのでそのまま送ればOKです。数日待っていれば、返事が来ると思います。
プレミアムゲームの場合は、そもそも「〇〇というゲームをプレミアムゲームとしてライセンスしたいのですが…」という交渉から入る必要があります。イラストリーの時はやらなかったので、申し訳ありませんが、どういう流れになるのかはわかりません。

まとめ

以上、ライセンス許諾までの流れをまとめてみました。

許諾の手続きはともかくとして、「お客さんにどう遊んでもらい、どういうリターンを得るか」という部分がとても重要で、判断が難しいところです。
イラストリーも、世界的な引きこもり状態が発生しなかったら、ここまでやろうとはしなかったかもしれませんね。

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