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引っ越しの為に固定回線を止めたので、モバイルルータとpovo2.0で2週間乗り切った話

先日引っ越しをしたのですが、2週間に亘り固定回線が使えなくなってしまったので、その間モバイルルータとpovoで耐え忍んだというお話です。これから引っ越しを予定されているネットジャンキーな方々の参考になればと思い、記事に残しておきたいと思います。


1. 固定回線を撤去せよ

先日引っ越しをしました。賃貸から賃貸への引っ越しだったのですが、これまで住んでいたアパートが少し特殊で、賃貸なのにフレッツのHOME契約(戸建て契約)でネットを使っていました。

その為、電柱からアパートの引き込み線を私しか使っておらず、退去の際に引き込み線を撤去するよう大家から求められてしまいました。

工事には立ち会いが必要なのですが、繁忙期で平日に立ち会えるはずもなく、かと言って直前の土日は引っ越しでそれどころではないとなり、引っ越し1週間前の土日で作業をしてもらう事になりました。

となると、引っ越しまでの1週間は自宅にネットがなくなる訳で、更に引っ越し先も諸々の工事があり、2週間ネット回線がなくなるという事態に。

かくして、引っ越し前後2週間を何とか耐え忍ぶ為の、インターネット回線確保が急務となった訳です。


2. スマホで良くないですか?

たった2週間であれば、スマホとテザリングで何とかなるのではないかと思う方もいると思います。実際その通りで、私はpovo1.0を契約していて月20GBの枠があるのと、普段はWi-Fiを使っているので、引っ越し前で月3GB程度しか使っていなかった為、2週間の間に動画を観ようが何しようが、スマホのギガで充分事足ります。

ですが、我が家にはそうは行かない事情がありました。それは、我が家にはネットに繋がっているデバイスが山のようにあるという事です。

いくつかの過去記事でも取り上げていますが、我が家にはFire TVに始まり、NASやスマートスピーカが4台(稼働中だけで)、Wi-Fiリモコンにタブレットが2台と、様々な物が自宅ルータにWi-Fiで接続されています。

タブレットはBiglobeのSIMが入っているので何ともありませんし、動画もテレビでなくタブレットで観れば正直支障はありません。ですが、スマートスピーカやNASは、インターネットからの接続が切れてしまうと、機能が使えないだけでなく、放置しておくとエラーを吐くので何かと面倒です。

かと言って自宅にいる間、わざわざテザリングをONにして使うというのも面倒ですし、何よりすべてのデバイスの接続先を変更するのはもっと手間です。その為、今のルータのWAN回線をどこかしらに繋ぐ必要がありました。


3. 過去の遺産:MR03LNとクレードル

最新の高級ゲーミングルータであれば、USB接続でモデムやスマホを接続したり、SIMを挿してインターネットにアクセスすることも出来ると聞きます。ですが、我が家のルータはBuffaloの比較的高機能版とはいえ、そんなゲテモノ機能は付いていません。その為、WANポートにLANケーブルを挿して動かせる通信機器が必要でした。

そんな時にふと思い出したのが、昔々に購入していたNECのモバイルルータMR03LNと有線LANクレードルでした。クレードルは気分で買ったのでほとんど充電スタンドとしてしか使った事がなかったのですが、本来の機能は、LANケーブルを繋いだ機器の通信を携帯回線に流せるという物です。これをルータのWANポートに繋げば、自宅の通信を携帯回線に流せます。

幸いタブレットに挿していたBiglobeのSIM(Docomo回線)がありますので、モバイルルータに挿すSIMの心配もありません。

いやぁ、これで解決解決。と思ったのも束の間、危機は2日後に訪れました。

MR03LNとクレードルにLANを挿した状態。
クレードルを認識すると画面表示が縦から横になる。


4. ギガがない

土曜の午後に切り替えを行い、日曜の夜。普通にネットを使ったり、少しテレビでAbemaTVを観たりして過ごしたのち、ルータの画面を見て驚きました。

使用データ量の欄が4GBを突破していました。

タブレット用の回線は保険として持っていただけなので、月3GBの契約。前月から繰り越し分もほぼ3GBだったので実質6GBが今月の持ち分です。それがたった1日半で70%近く消耗してしまったのです。

そういえば動画だけじゃなくて、スマホのアプリ更新が一斉に走っていたし、何ならPCを使った時にWindows Updateが勝手に走っていたような。そもそもテレビも画面が大きいのでAbemaの画質も高画質モード。数時間での消費量も多い訳で、完全に見通しが甘かった事に気付いてしまいました。

普通であればここでネットを諦めるのが普通ですが、ネットジャンキーな私がネットなしを諦められるわけもなく。

速攻でpovo2.0の新規契約を申請しました。こういう時にeKYCで契約出来る回線は良いですよね。物理SIM契約なので待つ必要はありますが、それでも結局丸2日も掛からず、自宅にSIMが届きました。恐るべしpovo。

さすがに次の日からは仕事だったのでパケット消費量はある程度抑えられたのと、アップデートでギガを消費しないように、スマホのWi-Fi接続を切っていたので、SIMが届いた時には5GBを超えた程度で何とか持ち堪えていました。

さあSIMを差し替えて、快適20GBライフを楽しみましょう。と思った矢先、次なる問題が訪れるのでした。


5. povoってau回線なんですよね

povo2.0のSIMが届いたので、喜び勇んでMR03LNにSIMを差し込みました。ところが待てど暮らせど、アンテナが立ちません。ああ、APN設定ね。忘れてたと設定を変更してしばらく待てど、やっぱりアンテナが立ちません。

そこでふっと過去の記憶が蘇ってきました。MR03LNが発売されたのは2014年だったのですが、当時の触れ込みは「ドコモXiに対応のLTEモバイルルータ」という物でした。はい、まだ3Gが現役でLTEが発展途上だった当時、このモバイルルータが対応していたのは、ドコモとソフトバンク回線のみ。auはバンドの違いから非対応でした。

因みにその後イオンモバイルの為に対応した改良版のMR03LEというのが発売され、それはau回線のみ対応という、またピーキーな商品でした。

Aterm MR03LN 接続確認済4G(LTE)/3Gサービス事業者リスト

という訳で、せっかく20GBを使えるSIMを速攻ゲットしたのに、MR03LNではまったく使う事が出来ないという事態に。

さて、どうした物かと考えること30秒。私が部屋の奥から持ち出してきたのはMR04LNというMR03LNの次期モデルでした。

何故持っているか?Bluetoothテザリングと休止モードの復帰機能が使いたかったので買い換えたからです。はい、アホですね。結果的にはそれが救いになった訳ですが。


6. MR04LNとpovoで快適なインターネットライフ・・・とはならない訳で

さて、無事MR04LNにpovo2.0のSIMを差し、これで問題は解決。無事モバイルルータで20GBの通信環境を確保出来ました。

と、言いたい所ですが、そうはなりません。何故ならMR04LNではMR03LNのクレードルが使えないからです。

各モデルで販売しているクレードルは各モデル専用となっています。というのもサイズが微妙に違うので、入らないんですね。

03のクレードルとMR04LN。04の方が1cmほど横幅が長いのが分かる

更に今の最新機種(と言っても古いですが)はMR05LNで、MR04LNのクレードルが売っていません。売っていても本体とセットか法外な金額になっています。

さて、どうしたものか。

そんな時、ネットで見つけたのが、MR05LNのクレードルを削ってMR04LNを接続したという記事でした。

という事は、専用と言っているのはサイズだけで、クレードルの端子自体は互換性がある?となれば、MicroUSBの延長を繋げば動くのでは?

という訳で、MicroUSBメス-MicroUSBオスという珍しいケーブルを探す事となりました。


7. USBって本当に分かりにくいですね

とにかくすぐにケーブルが欲しい私は、急いで近所のヨドバシに向かいました。さすがにヨドバシならMicroUSBの延長というマニアックなケーブルもあるだろうと。

MicroUSBのTB-MBFMBR01BKというケーブル。
パッケージから察するにOTGケーブルのようです

はい、本当にありました。さすがは天下のヨドバシ様ですね。残り僅かですが、いくつか残っていました。

再び喜び勇んで自宅に帰り、早速MR03LNのクレードルとMR04LNを繋いでみたところ・・・・・・

うんともすんとも言いませんでした。

電源はきちんと供給されているのですが、クレードルとしての機能が働きません。液晶も通常の縦画面のままです。クレードル設定も正しく出来ているので、設定側に問題はなさそうです。

となるとやっぱり互換性の問題か・・・・・・。と思ったのですが、1つだけ引っかかっている点がありました。パッケージを見ると分かるのですが、どうもこのケーブル、タブレットにオス側を繋いで外部デバイスを繋ぐ為のOTGケーブルに見えます。

もしかして余計な信号とか信号の遮断とかあるのでは?

仕方がないので、その日もスマホだけで耐え凌ぎ、次の日会社を定時ダッシュで上がり、買ってきたのがこれです。

千石で買ったただの延長ケーブル。これなら煮るも焼くもしていないはず。

みんな大好き千石電商で買った、MicroUSBの延長ケーブル占めて160円!
因みに先ほどのELECOMのケーブルは900円くらいしました・・・・・・。

これでダメなら諦めてオフライン生活。わらにもすがる思いで接続してみると――

無事、繋がりました!!

MR03LNのクレードルとMR04LNを延長ケーブルで繋いだ写真。
1日・2日経ってから撮った写真ですが、特に通信の断絶もなく動いていました。

素晴らしい。きちんとクレードルモードになっているし、有線LANからの通信も通っています。

これでアレクサに買い物リストの追加もお願い出来るし、照明のON・OFFも出来るようになりました。テレビでは動画を観ることが出来るようになったし、めでたしめでたしです。


8. まとめ

結局引っ越し先も含め、この環境で2週間弱を過ごし、ほぼ固定回線と同じような生活を送りながら、20GB以内でやり過ごす事が出来ました。

ただやはり動画を長めに観てしまうと消耗が激しいので、私の使い方では20GBで2週間+αぐらいが限界かなと思いました。なるほど、これがギガが足りなくなる人の気持ちか。固定回線って偉大ですね。

因みに今は固定回線(これも訳あって遅めの回線で我慢していますが、まあ充分)で、ギガに悩まされない生活を送っています。

ここまでしてネットを使いたい人がいるのかどうか疑問ですが、もし引っ越しを予定していて、ネットの扱いに悩んでいる方がいれば、試してみるのは如何でしょうか。

因みに、MicroUSB延長を使わなくても、MR03LNとMR04LNを公衆無線LANモードを使って、クレードルの通信をWi-Fi経由でMR04LNに流すという裏ワザがあることをネットで知り、途中で試してみたのですが、動画などストリーミングは通信が詰まりやすいのと、電子レンジを使うと通信が完全に止まるという厄介な問題が見つかったので、即諦めて延長ケーブルを買いました。が、うまくやれば使えそうなので、ケーブルを買うのが難しいという方は、こちらの方が良いかもしれません。もしやり方を知りたいよ、という方がいればご連絡下さい。解説したいと思います。

それからクレードルモードは必ず『ルータモード』で使用して下さい。ブリッジは通信方向が逆なので、使えません。多段ルータにはなりますが、まあ普通に使えるので気にしなくて良いでしょう。

こんな感じでまたマニアックなネタが見つかったら投稿したいと思います。それではまた。良いインターネットライフを。


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